補足アイスクリーム業界のうち株式会社明治だけが、2020年6月から順次賞味期限を表示しています。消費者からの要望に応えたことと「アイスのおいしさは安心からという考えのもと、アイスを安心して楽しんでいただくため」だそうです(明治公式サイトより)。この動きがあって他社にも確認しましたが、現在、賞味期限を表示している企業はないようです。記事にある通り、基本的にマイナス18度以下で保存しているので、品質の劣化が非常にゆるやかなためです。ただし、どの企業も製造品を放置しているわけではありません。たとえば新製品を発売したものの、在庫の回転が遅い場合、企業が決めた時期で処分します。冷凍用倉庫は保管費用もかさむためです。森永製菓のチョコモナカジャンボは、パリッとしたおいしさが肝なので、日本気象協会の気象情報をもとに、売れそうなタイミングで多く出荷するなど、出荷量を調整し美味しいままで提供するようにしています。
コメンテータープロフィール
奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)、修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン、青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。3.11食料支援で廃棄に衝撃を受け、誕生日を冠した(株)office3.11設立。食品ロス削減推進法成立に協力した。著書に『食料危機』『あるものでまかなう生活』『賞味期限のウソ』『捨てないパン屋の挑戦』他。食品ロスを全国的に注目させたとして食生活ジャーナリスト大賞食文化部門/Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018/食品ロス削減推進大賞消費者庁長官賞受賞。https://iderumi.theletter.jp/about