岸本絢

コロナで変化したミニマリストたち 備蓄も重視する新スタイル【#コロナとどう暮らす】

6/30(火) 10:01 配信

新型コロナウイルスがもたらした社会の混乱は、マスクや食料品といった生活必需品を備蓄しておくことの大切さを、私たちの心に強く植え付けた。生活スタイルを変える人が増える中、物を極力持たない「ミニマリスト」は、どうコロナと向き合い、過ごしているのか。今回、男女3人のミニマリストを取材。彼らの独特で進化した生活スタイルは、ウィズコロナ時代を生き抜く新たな可能性を秘めていた。(取材・文:猪瀬聖/撮影:岸本絢/Yahoo!ニュース 特集編集部)

ミニマリストから備蓄へ

首都圏在住の専業主婦メミコさん(38)は、新型コロナを機に、2年前から書き続けているブログのタイトルを変えた。新しいタイトルは、「ミニマリストを捨てました。」。最近のブログには、トイレットペーパーが山のように積まれた家の棚や、食料品で埋まった引き出しなど、ミニマリストとは程遠いイメージの写真がアップされている。

台所の引き出し

トイレットペーパーも備蓄

市街地の2LDKのマンションに、夫と2人の息子と暮らすメミコさんがミニマリストになったのは、今から4年前。当時は広々とした一軒家に住み、2台の車を所有。休日には買い物に出掛けたり家族そろって外食したりするなど、豊かな暮らしを満喫していた。

しかし、心の中では「何か違うな」と思っていたメミコさん。ある時、ミニマリストという生き方があることを知り、調べてみた。すると、「自分は、幸せを、物や家の外に求め過ぎていたことに気づいた」という。

フランスのミニマリスト、ドミニック・ローホーの著書『シンプルに生きる』も読んだ。「物を持つならできるだけ少なく、自分にあった物を持ちなさい」「高くても良い物を買いなさい、中途半端な物は買ってはいけません」といった主張に感銘を受けた。

早速、行動に移した。家具や車を次々と手放し、ついに家まで売却。約2年前、現在のマンションに引っ越した。テレビは、パソコンサイズの防水テレビを家族でシェア。食料は基本、生協の宅配を利用。「週1回の配達日の前日には冷蔵庫がスッカラカンになるが、それが快感だった」と話す。ちなみにメミコさんの夫も、「趣味は筋トレ、物には執着しないタイプ。ユニクロで買った服2着で毎週末を過ごすなど、ミニマリスト的な生活を楽しんでいる」という。

きれいに整頓されたメミコさんの2LDKのマンション

ブログを書き始めたのも、生活環境を一新した頃だった。ブログでも「ミニマリスト」を名乗ることにし、ブログ名は、最初は「ミニマリスト主婦のブレない暮らし」、その後、自分を変えたいとの思いも込め、「ミニマリスト主婦、自分を捨てました。」にした。

コロナで一変 スーパーの品薄に危機感

そんなメミコさんの生活に大きな影響を与えたのが、新型コロナだった。感染者が急増し始めた3月、ドラッグストアから、マスクやトイレットペーパー、ティッシュボックスなどが姿を消した。さらには、同月下旬、小池百合子・東京都知事が外出自粛を要請すると、首都圏にある多くのスーパーで、米や即席麺、肉などが一時、売り切れや品薄状態となった。

スーパーでは多くの食品や日用品が売り切れた(3月27日 写真:ロイター/アフロ)

メミコさんが食料を普段より多めに買っておこうと生協に追加注文しようとしたら、多くの商品が「在庫切れ」となっていた。突然、強い不安に襲われた。スーパーに行けば何かあるかもしれないが、感染が怖い。「慌てて、楽天でいろいろ買いました」

これを機に必要なものは備蓄することを決めた。食料は、ドイツの伝統的パンであるプンパーニッケル1カ月分など、常温保存できるものを備蓄。ほとんどカラだったキッチンの引き出しは、「食料でパンパン」になった。使い切るごとに買っていた歯ブラシや石けん、トイレットペーパーも、半年分ぐらいまとめ買いした。

水も多めに備蓄

「備蓄とお買い物マラソン。」と見出しをつけた最近の投稿では、「備蓄用引き出しを開けては眺め、どれくらい用意しようかと考える日々。」など、備蓄への関心をうかがわせる文章が並ぶ。カラになった冷蔵庫を見るのが快感だった日々が、ウソのようだ。

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