【理由】コーヒーカップの取っ手はなぜ左向きに出されるのか
昔ながらの喫茶店では、コーヒーカップの取っ手(持ち手)が左向きに出されることが多くあります。
そうかと思うと、ホテルのラウンジでは右向きに出されたり、 カフェでも右向きだったり左向きだったり、スプーンの位置も、手前だったり奥だったり…。
お店によってカップの置き方には様々なバリエーションがあります。カップの向きにはそれぞれどのような意図があるのでしょうか。
取っ手を右に向ける場合
日本料理でもフレンチやイタリアンなどでも、配膳においては「右利き」を基準にセッティングしています。
利き手である右手で飲みやすいように、という考えから、ワインも水もグラス類は右側に置きますし、コーヒー・紅茶のカップも「右取っ手」で置きます。
もし相手が左利きだとあらかじめ分かっている場合には、「左取っ手」で出してあげればいいですね。
なお、絵柄のあるカップは、メインとなる絵柄が正面に来るように置きます。(この場合、取っ手は右側に来ることが多くなります。)
取っ手を左に向ける場合
取っ手をわざわざ左に向けるのは、右手でスプーンをもって砂糖やミルクを混ぜる際、左手を取っ手に添えるとカップが安定して混ぜやすいという理由から。
混ぜ終わったスプーンは邪魔にならないよう奥に置き、カップをそっと半回転させて取っ手を右側に向けてから飲みます。
もし相手がブラックしか飲まない、スプーンを使うことはない、とあらかじめ分かっているなら、最初から「右取っ手」で出してあげてもいいかもしれませんね。
帝国ホテルのスタイルは?
ちなみに、帝国ホテルでは「右取っ手&スプーンはカップの奥」というスタイルで出されます。
レストランサービスが右利きを基本としているから、ということもあるでしょうし、スプーンが奥にあることでカップ&ソーサーが最も美しく見える、というメリットもあるようです。
また、良い豆を使った美味しいコーヒーなので基本はブラックで飲んでほしい(スプーンは使わないはず)という思いが込められているとも聞いたことがあります。
カップの置き方ひとつに、出す側の気持ちやこだわりを込めることができるわけですね。
まとめ
コーヒーカップを置く向きの考え方としては、
・コーヒーを飲む人の利き手はどちら?
・ブラックで飲む?砂糖ミルクを使う?
・絵柄(正面)のあるカップ?
これらを総合的に判断してどう置くかを決めます。
アメリカ式は右向き、イギリス式は左向き、という風に言われることもありますが、いずれにしても、考え方さえ分かっていれば相手や状況に合わせて置き方を臨機応変に変えることができます。
こうしなければならない、という決まりがあるわけではないので、コーヒーを飲む人が飲みやすいこと、おもてなしの気持ちや配慮が伝わること、実用的であること、などを大切にしたいですね。
今度、誰かにコーヒーを出してあげる機会があった時、あなただったらどんな風にカップを置きますか?