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【言葉遣いの違和感】は認識のギャップ。相手は自分のことをどう捉えている?

畠山仁美所作講師

丁寧な言葉遣いや敬語を使うとき、その背景には、意識・無意識にかかわらず何らかのメッセージが含まれています。

どういう言葉遣いをするかの判断基準

私たちは、どの程度の敬語を使おうか、どういった言葉遣いで話しかけようか、などを以下のような基準に照らし合わせて考えています。

◆”年上・年下” などの「年齢」
◆”親しいか親しくないか” の「距離感」
◆”先生と生徒” といった「立場や役割」
◆”社内かお客様か” といった「身内か他人か」

人間関係以外では
◆面接や告別式のような「改まったシーン」なのか
◆同僚との飲み会のような「カジュアルなシーン」なのか
といった「場面・状況」

これらの要素を基準としつつ、そこに「自分の価値観」(人との距離は早めに縮めたい、人とは一定の距離を保って付き合いたい、堅苦しいのは好きじゃない、誰に対しても丁寧に接したい、などなど…)が掛け合わさって、どの程度の敬語を使うか、あるいは使わないか、を判断しています。

「敬語」ときくと、目上の人に使うもの、と単純に捉えられがちですが、複雑な要素が絡みあって使い分けているわけです。

つまり、言葉遣いから、

◆今をどういう場面だと認識しているか
◆相手のことを、どういう人(立場)だと認識しているか
◆どれくらいの距離感の相手だと認識しているか
◆どういう距離感を心地よいと感じるのか
◆どういうコミュニケーションが好き(得意)なのか

などが読み取れる、ということですね。

言葉遣いを相手を知るきっかけに

もし、相手の言葉遣いに違和感を覚えたとしたら、自分と相手との間に、上記のような【認識のギャップ】があるわけです。

「言葉遣い」という切り口で人間関係を見てみると、自分と相手の考え方の違いが垣間見えて、非常に興味深く感じられます。

もし身近に、言葉遣いが気になる人がいたら、”正しい言い方” を指摘する前に、関係性の認識や、人との距離感の捉え方に耳を傾けてみてください。言葉遣いをきっかけに相手への理解がぐっと深まるはずです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

所作講師

日常の振る舞いを見直すことで、心・体・生活を整えるお手伝いをする所作講師。立つ・座る・歩く・物を扱う・挨拶する、といった日常あたりまえに行っている所作を通して、振る舞いだけでなく自分の内面も見つめ直すレッスンが好評。2011年の開講以来マンツーマンレッスンにこだわり、一人一人と向き合ってきた。ブログ【所作美人のヒント】では、バタバタと忙しい日々の中で、所作を通して自分を磨く考え方を発信。著書「一日一分からはじめる『おだやかな人になる所作の習慣』」

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