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木村拓哉主演『レジェンド&バタフライ』入門 激闘!本能寺の変 その時、織田信長と妻の濃姫は!?

濱田浩一郎歴史家・作家

木村拓哉さん主演の映画『レジェンド&バタフライ』が公開されています。木村さんが演じるのは、戦国武将・織田信長。そして、信長の妻・濃姫を女優の綾瀬はるかさんが演じています。

信長が、本能寺の変において、家臣の明智光秀に討たれることは周知のことです。『レジェバタ』の本能寺の変のシーンは、私がこれまでドラマ等で見てきた「本能寺の変」の中で、最も迫力があると感じました。興味のある方は、映画の大画面で、是非、観覧ください。

さて『信長公記』(信長の家臣・太田牛一が記した信長の伝記)には、本能寺の変の描写がありますが、最初、信長と小姓衆も、周囲で民衆の喧嘩が発生したと思ったようです。しかしそれは、喧嘩ではなく、光秀軍の本能寺への乱入でした。

明智軍は、声をあげて、寺に鉄砲を放ってきます。「さては謀反か。いかなる者の仕業か」と信長が尋ねると、小姓の森蘭丸が「明智の手の者と思われます」と答える。すると信長は「是非に及ばず」(やむをえない、仕方がない)と一言。

次々と乱れ入ってくる明智軍。それに抵抗する信長の近習たち。が、多勢に無勢で、奮戦するも討ち取られていきます。信長は弓を取り、何度も矢を放ちますが、ついに、弓の弦が切れてしまいます。

その後は、槍を取り、戦う信長。敵兵から槍による攻撃を受け、負傷したことにより、信長は部屋に引き退きます。その側には、女中衆がいたのですが、信長は彼女らに「女たちは構わぬ。急いで、逃げよ」と言い、女性を戦場から逃そうとしました。

ちなみに、本能寺の変の時、信長の妻・濃姫が夫の側にいたとは『信長公記』には記されていません。時代劇や漫画などではよく、濃姫が本能寺の変で戦い、討死する場面が描かれてきましたが、それは創作です(濃姫は、信長の死後も生き、尾張国で余生を送ったとの説もあります)。

女性たちを逃し、本能寺の奥深くに至った信長。寺には火が放たれ、信長はその中で自害します。享年49。

尾張国の一地方領主から身をおこし「天下布武」を掲げて、数々の大名を打倒してきた信長。真の「天下統一」まであと一歩というところで、謀反により、その生を絶たれました。しかし、その激動の生涯と信長の個性は、後世の人々を魅了し続けています。

歴史家・作家

1983年生まれ、兵庫県相生市出身。皇學館大学文学部卒業、皇學館大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。兵庫県立大学内播磨学研究所研究員、姫路日ノ本短期大学講師、姫路獨協大学講師を歴任。『播磨赤松一族』(KADOKAWA)、『北条義時』『仇討ちはいかに禁止されたか?』(星海社)、『家康クライシスー天下人の危機回避術ー』(ワニブックス)ほか著書多数

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