神戸舞子海岸に似た海岸が由来!海水浴のための臨時駅から昇格した駅 北陸本線 小舞子駅(石川県白山市)
3月16日の北陸新幹線金沢~敦賀間開業に伴ってIRいしかわ鉄道に移管される予定の北陸本線金沢~大聖寺間。金沢方面から見ると手取川を渡ってすぐのところにあるのが小舞子駅だ。石川県白山市湊町に所在する。かつては能美郡湊村で、昭和29(1954)年11月3日の合併で美川町となり、平成17(2005)年2月1日の合併で白山市となった。
小舞子駅は明治36(1903)年7月11日、「小舞子仮停車場」として開業した。夏季の海水浴シーズンのみ営業する臨時駅で、駅名は近くの小舞子海岸に由来する。小舞子海岸は「白砂青松」で名高い神戸の舞子海岸の風景に似ていることからその名が付いた海岸で、日本の渚百選にも選定されている。ちなみに滋賀県大津市の湖西線近江舞子駅も、神戸の舞子にちなんだものだ。
長らく臨時駅だった小舞子駅は昭和39(1964)年4月10日に常設駅に昇格。駅舎やホームはその時建てられたものだ。駅舎は小さいながらもしっかりとした鉄筋コンクリート造だが、昭和46(1971)年10月1日には早くも無人化されてしまう。
駅舎は海や国道に背を向けた東口にあり、海水浴場側の西口は至って簡素な造りだ。海水浴場の最寄り駅として開業した経緯から考えると西口に駅舎があっても良さそうなものだが、市街地が東側にあることから東側に駅舎を建てたのだろう。
相対式2面2線のホームを時折、特急列車が猛スピードで通過していく。「特急街道」と呼ばれる北陸本線らしい光景だが、新幹線開業後はこれも見られなくなる。一方、IRいしかわ鉄道への移管に合わせて普通列車の増便が行われるので、小舞子駅への停車本数も増加する予定だ。