「30本塁打トリオ」がいて「最下位」は史上初。ただし、約半数のチームはリーグ優勝を逃している
東京ヤクルトスワローズでは、山田哲人、村上宗隆、ウラディミール・バレンティンの3人が、それぞれ30本以上のホームランを打っている。にもかかわらず、東京ヤクルトは最下位に位置する。シーズンを終えるまでに、浮上することもないだろう。例えば、4位の阪神タイガースか5位の中日ドラゴンズがここから全敗し、東京ヤクルトが全勝すれば、最下位脱出となるが、阪神とは10ゲーム差があり、中日とも9.5ゲーム離れている。
1シーズンに3人以上が30本塁打以上は、「30本塁打カルテット」の7チームを含め、今シーズンの東京ヤクルトが23チーム目だ。過去の22チーム中、最下位は皆無。4位と5位もない。
ただ、リーグ優勝はそう多くなく、半数以下の10チームにとどまる。
2004年の福岡ダイエーホークスは、プレーオフでリーグ優勝を逃したものの、レギュラーシーズンの勝率は1位だった。1990年のパ・リーグでは、リーグ優勝の西武ライオンズと2位のオリックス・ブレーブス、どちらにも「30本塁打トリオ」が誕生した。これらを考慮しても、リーグ優勝は約半数だ。なお、1989年のパ・リーグも、オリックスと西武のそれぞれ3人が30本以上のホームランを打ったが、両球団ともリーグ優勝はできず、2位と3位に終わった。僅差ながら、近鉄バファローズがリーグを制した。
また、今シーズン、東京ヤクルトの選手が打ったホームランは計150本だ。読売ジャイアンツのチーム本塁打は、それよりも11本多い。
1989年と1990年の西武も、チーム本塁打はリーグ最多ではなかった。4位と3位だ。2001年の福岡ダイエーは「30本塁打カルテット」がいたにもかかわらず、チーム本塁打は大阪近鉄バファローズより8本少なかった。大阪近鉄では、タフィー・ローズが55本、中村紀洋が46本、吉岡雄二が26本、川口憲史が21本のホームランを打ち、この4人の合計は、ダイエーの「30本塁打カルテット」の合計を上回った。
ちなみに、「30本塁打トリオ」を形成した選手のうち、同じシーズンに30盗塁以上を決め、「30-30」を達成したのも、今シーズンの山田が初めてではない。延べ7人目だ。過去の6人は、1950年の松竹ロビンスで岩本義行が39本塁打&34盗塁、1989年と1990年の西武で秋山幸二が31本塁打&31盗塁と35本塁打&51盗塁、2001年の福岡ダイエーで井口資仁が30本塁打&44盗塁、2002年の西武で松井稼頭央が36本塁打&33盗塁、2015年の福岡ソフトバンクホークスで柳田悠岐が34本塁打&32盗塁を記録した。