低身長国の日本が追求すべき、二段構えのサイド攻撃
引いた相手にどう立ち向かうか。
「一番いいのはサイド攻撃だ」とハリルホジッチは語った。
カンボジア戦後の話だが、日本はそこでセンタリングを何本も上げた。しかし、そのほとんどに可能性を感じることができなかった。
ヘディングの強い選手がいないから。答えは簡単に見つかる。
しかしそれでも「サイド攻撃」は正しい答えだ。サッカーに教科書があるとすれば、そのように記されているに違いない。
「相手を騙す動きをしてスペースを作りなさいと言ったが、中で構える岡崎と武藤はだいたい同じ線上に入ってしまった」とは、ハリルホジッチの弁。
センタリングをいくら上げてもゴールに繋がらなかった理由は、真ん中に入った選手のポジショニングが悪かったからだと言う。僕はそれを聞いて、はいそうですか。と、全面的に納得することはできない。
カンボジア戦。日本のボール支配率は74%に及んだ。日本の攻撃は、結果的にほとんどが遅攻になった。センタリングが行われたのもそうした状況下だった。長友なら長友が、そこでサイドバックと1対1になり「いちにのさん」と言いたくなるような正直なタイミングでボールを上げた。可能性は、その瞬間から感じられなかった。真ん中の選手のポジショニングにかかわらず。
サイドでいかに意外性を出すか。スピード感を演出するか。カンボジアの選手をハッとさせるか。なにより、その工夫が足りなかった。
その他の選手は、長友なら長友1人に、その場を任せようとした。その相手ディフェンダーとの1対1を遠くから傍観した。長友は、手こずりながらもなんとかかわし、センタリングに及ぶ。だがその様子は、相手にも逐一伝わる。そしてボールは、予想通りのタイミングで上がってくる。
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