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東アジアカップは監督の能力が白日の下に晒される大会である

杉山茂樹スポーツライター

東アジアカップに臨む日本代表。男子も女子も、言ってみれば1.5軍級だ。男子は海外組ゼロ。女子も先のW杯で主力だった選手たちの姿はない。従来のスタメン級を脅かす選手は現れるのか。これが一般的な見どころになると思うが、こうした試合で鮮明になりやすいのは、むしろ監督の総合的な指導力だ。

特に男子の場合、従来のスタメンは海外組だ。日本代表で長年スタメンを張ってきた選手で占められている。場慣れしているせいか、自分を出す余裕がある。だが、どこまでがそれなのか。分かりづらい面がある。

例えば、先のシンガポール戦。その4−2−3−1は4−2−2−2に見えるほど、高い位置で構える両サイドが、中に入り込んでいた。この姿は、監督の指示なのか、選手の判断なのか。選手の判断を、監督が追認したーーとは、こちらの推測だが、本当のところはよく分からない。

だが、従来スタメンではない選手は、良くも悪くも、我を抑える傾向がある。そこまでの余裕はないと言った方がいいかもしれないが、いずれにしても監督の指示に素直に従おうとする。監督の示したガイドラインは、それだけに鮮明になる。そしてそれは、まさに監督の本性に他ならない。

佐々木則夫監督とハリルホジッチ。

布陣の話をすれば、佐々木監督は、先の女子W杯を中盤フラット型4−4−2で戦った。ハリルジャパンのように4−2−2−2になりにくい均整の取れた4−4−2に好感を抱いたものだ。さらにグループリーグ3試合でメンバーを全員使う姿、選択肢を増やそうとする姿に、最初から7試合を戦うつもりでいる、優勝を狙うチームに相応しい監督の姿を見たーーと、大会期間中に書いた記事で称賛したが、それでも最後は、手詰まりになった。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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