「TORAYA GINZA」さんのカウンター席で頂く秋の贅沢!「秋灯」で味わう南瓜の出来立てきんとん
近所の和菓子屋さんの暖簾をくぐり世間話と共におやつを迎えたり、はたまたちょっと足を伸ばしてショッピングをした帰り道にデパ地下で旬の和菓子を購入したり。そして肩の力を抜いて、お茶や珈琲をいれるお湯を沸かしている間にお更に乗せて…
という、ご自宅での安らぎのひと時を和菓子と共に過ごすのは幸せの極み。
そしてまた、特別なエンターテインメントとして和菓子に触れるのも一興。
銀座といえども港区寄りのエリアに位置する「TORAYA GINZA」さん。意外と細い通り道に面しているので、初めて訪れる方は入口を探してしまうかも。
TORAYA GINZAさんでは上生菓子などの販売は勿論ですが、かき氷やあんみつといった甘味のほか、限定の和菓子もいただくことができます。
更に、時間制且つ完全予約制の最大4人までというカウンター席で、職人さんの手捌きを眺めながら季節のきんとんやどら焼きをいただくことができるのです。
今回は11月いっぱいまで予定されているかぼちゃのきんとん「秋灯(しゅうとう)」をご紹介。
墨染のフラットプレートに映える橙色のきんとんは、まるで日没が早くなった秋の夕闇に浮かぶ灯りか、もしくは10月であればハロウィンカラーとでも申しましょうか。
裏ごしした北海道産えびすかぼちゃの水分を飛ばすように練り上げ、練り切り餡とあわせたかぼちゃ餡。水分量が多いしっとりしたタイプであれば問題ないのですが、ほくほく系は調整が難しいとのこと。
こし餡を一度白餡で包む二重餡という仕様のとらやさんの上生菓子。白餡でこし餡を包んでいく技は素早く無駄がありません。また、かぼちゃ餡に白蜜を加えて空気を含ませるように練り上げていくパフォーマンスからザルにかけて短い紐状にするまでも、乾燥してしまっては扱いにくくなってしまうためスピード勝負。
とおっしゃりながらも、カウンター席にて楽しい時間を過ごせるようお話なさりながらの作業は流石選ばれし精鋭といったところでしょうか。
芯の餡玉にきんとんを纏わせていくと、真珠玉があっという間に華やかに。ローストした南瓜の種を散らして完成です。
とらやさんの上生菓子は店頭でも購入できますが、このボリューム、そして瑞々しさ、そして立ち昇る薫香はできたてならでは。これはお持ち帰りできません…まるで絵画のような作品を連想させる秋灯は、ほっこりとした南瓜特有の甘味と、スイーツではなくお野菜としての味わいも損なわれておらず。
そこに練り切り餡に包まれたこし餡が加わると、空気を含みまろやかになった南瓜餡は、素朴な印象から一気に洗練された和のハーモニーを奏でるのです。小豆の甘さ、南瓜の甘さ、それぞれ異なるテイストが口の中でひとつになると、リッチな気分ながらもストンと肩の力が抜けていきます。
自家製の南瓜の種のローストもぽりぽりとして非常に美味しく、そのままでもきんとんと一緒にでも軽やかなアクセントに。
お菓子の味わいだけではなく、その時間をもご褒美として過ごす世界にふたりといない大切な自分への労い。また次のきんとんを楽しみに、カウンター席を予約できる日を心待ちにしつつ日々のタスクをこなしていきたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
<TORAYA GINZA>
公式サイト(外部リンク)
東京都中央区銀座7-8-17 虎屋銀座ビル4階
03-6264-520011時~19時(ラストオーダー18時30分)
定休日 元日・毎月第2月曜日(祝日の場合は第3月曜日)