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ねっとりぷちぷち食感がたまらない…三松堂さんの「いちじくパイ」丸ごと無花果と瑞々しいこし餡は格別!

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

昔から食べられている郷土の保存食がどこの地域にもあるかと思いますが、干したものや塩漬け・砂糖漬けにしたものが比較的多く見受けられるかと思います。シンプルな製法だからこそ、脈々と受け継がれてきたというのも理由のひとつなのでしょうね。

この松の木のイラストがキュート
この松の木のイラストがキュート

そして、ちょっと意外かもしれませんが、秋田県には昭和初期〜中期より、いちじくの栽培が盛んになり、甘露煮にして一年を通してお茶請けやお土産として加工されて食べられてきたとのこと。

今回は、秋田県秋田市にお店を構える創業大正13年の「三松堂」さんの人気商品「いちじくパイ」をご紹介。

いちじくパイ
いちじくパイ

こんもりと盛り上がった黄金色のパイ生地。和菓子屋さんには昔からあんこをパイ生地で包んだパイ生地のお饅頭が販売されていることもありますが、円平型のものが多く見受けられます。しかし、いちじくパイはころんとした腰高スタイル。中身がどうなっているのか気になりますね。

ふっくらとしたパイ饅頭です
ふっくらとしたパイ饅頭です

卵黄の焦げ目もまたいい味をだしているのです
卵黄の焦げ目もまたいい味をだしているのです

ご覧ください!中にはこし餡と立派な無花果の甘露煮がぎっしり!!これはときめきますね。

隙間なく包まれたいちじくの甘露煮とこし餡にびっくり
隙間なく包まれたいちじくの甘露煮とこし餡にびっくり

四代目のご主人が作り方を見直したという「あんこ」。小豆から煮上げて丁寧に仕上げたこし餡は非常に瑞々しく、じゅわりとした水分量を湛えながらすっきりとした甘さが特徴。かといって甘さ控えめというにはあまりにも勿体無いのです。おそれくそれは、地元産のいちじくの甘露煮との相性を考慮しているからこそ。

瑞々しいこし餡のパイ菓子はなかなかありません
瑞々しいこし餡のパイ菓子はなかなかありません

ぷちぷちとした軽やかに弾ける食感はもとより、凝縮された甘さとほんのり心地よいいちじく特有のほろ苦い青さが喧嘩することなく調和しているのです。また、パイ生地のバターもまろやかさとコクをプラスしてくれるおかげで、味わいに締まりがうまれいくらでも食べられそう。

焼きすぎると焦げてしまうので、余熱で温めるのがベター
焼きすぎると焦げてしまうので、余熱で温めるのがベター

余熱したオーブントースターで軽くリベイクすると、これもまた香ばしさが加わり、より一層とろりとしたあんこといちじくに心奪われるのです。

上生菓子やお団子など和菓子屋さんらしい王道のお菓子は勿論、お店のオリジナリティや個性がキラリとひかる特産品をあわせたお菓子からも目が離せませんね。

最後までご覧いただきありがとうございました。

柳谷ナオ

<三松堂>
公式Instagram(外部リンク)
秋田県秋田市中通5-7-8
018-833-8401
9時~18時
定休日 日曜・祝日

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

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