意外すぎる場所に老舗の支店が!大正6年創業「よしだや」さんの和菓子が新宿ネオン街の入口で買えるとは!
東京を代表する歓楽街、新宿歌舞伎町。そして隣りあわせに伸びる新大久保のコリアンタウン。昼夜問わず観光客で賑わい、日が沈むころになると鮮やかなネオンで彩られる町の入口ともいえるのが、東新宿駅です。
しかし、そこに大正6年創業の和菓子屋さんの支店があるとしたら…?
近年、お洒落なカフェやベーカリーが進出してきている注目のエリア、清澄白河にて大正6年に創業した塩大福が評判のお店「よしだや餅菓子店」さん。本店をあわせて4店舗お店を展開しているのですが、いずれも住宅街やスーパーやショッピングセンターの中。しかし、こちらの新宿店だけは繁華街の傍に暖簾をはためかせているのです。
今回はよしだや餅菓子店さんの「黄身しぐれ」をご紹介。
黄身時雨、という長い歴史をもつ和菓子。黄身というのは卵黄のことなのですが、時雨という言葉は何を指しているかご存知でしょうか?
時雨というのは、晩秋から冬にかけてぱらぱらっと突然降り出す冷たい通り雨のこと。秋の天気は変わりやすいといいますが、時折こういった雨に遭遇することがあるかと思います。そのとき、「雨かな?」と空を見上げた時、視界に広がる曇り空に描かれる線を、黄身時雨の特徴のひとつであるひび割れで表現しているのです。憂鬱な通り雨ですらお菓子に落とし込む日本人の感性の豊かさたるや…!
よしだやさんの黄身時雨も優雅なひび割れですね。ころんとしたフォルムの黄身時雨は、中餡のこし餡に一度色を付けた白餡をのせてから上新粉などをあわせた黄身餡で包んでいるため、割れ目から可憐な紅色が覗いています。しっかりひび割れしているからこそですね。
比較的しっとりとした瑞々しいタイプの黄身時雨は、白餡のまろやかさが際立つ滑らかな食感。あとから追いかけてくるほわりとした卵黄のコクと、黄身餡特有の控えめな硫黄の薫香。思いのほか中のこし餡の風味が強く存在感があるので、あんこが好きという方にもお勧めできる王道の和菓子かもしれません。
以前は昔から近隣に住んでいる方も、お彼岸にはおはぎを10個以上購入していたそうですが、そういった方々も少なくなり、多くて3個程になった方もいらっしゃるとか。しかし、近隣のオフィスの方々がどら焼きの詰め合わせを購入なさるほか、周辺のホテルに宿泊なさる観光客の方々が大福やお団子を購入していくそうです。
街の人たちのおやつとして愛されるお店の和菓子は、国籍を問わず観光客の方の「和菓子の入口」になっているのかもしれませんね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
<よしだや餅菓子店・新宿店>
東京都新宿区新宿7-27-24
03-3209-5832
9時30分〜17時
定休日 木曜