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ご当地ならではの名コンビ!松岡軒さんの「羽二重どら焼き」とろりと絡み合う絶妙な食感の隠れた名品

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

皆さん、どら焼きはお好きですか?

ふわふわ系、しっとり系など皮の質感も様々ですし、以前よりバターやマーガリンとあわせたものは勿論、ドライフルーツやプリンやムースを挟んだものなど、洋菓子の要素も取り入れた新顔達も続々登場してきましたね。

くっきりと書かれた「羽二重餅入」
くっきりと書かれた「羽二重餅入」

福井県福井市にて、120年以上の歴史を誇る「松岡軒」さん。まるでシルクのように繊細な滑らかさと儚さを兼ね備えた銘菓、羽二重餅でも名高い老舗ですが、その羽二重餅を和菓子に取り入れたお菓子も隠れた銘品としてファンも多い商品。

今回は松岡軒さんの羽二重餅を挟んだ「どら焼き」をご紹介。

羽二重どら焼き
羽二重どら焼き

松岡軒さんで販売されているどら焼きは、こちらの羽二重餅入りのみ。長年お作りになってきた羽二重餅への自信と誇りをも感じられるような気がします。

一般的などら焼きに比べるとパワフルなサイズ感ですが、皮の食感は真逆。お日保ちがするタイプながらも、ふわりと軽い生地。

重量級ではないものの、立派なサイズ
重量級ではないものの、立派なサイズ

不揃いの円形というのも味があるんです
不揃いの円形というのも味があるんです

半分に分ける際に、しゅわりと裂けるような音が聞こえてくるかのよう。生地の乾燥を防止するため、幾分しっとりとした生地感の皮がお日保ちがするタイプには多く見受けられますが、やはり作り方や配合に秘訣がありそうですね。

チラリとめくれば、艶々の羽二重餅がスタンバイ
チラリとめくれば、艶々の羽二重餅がスタンバイ

そして、香ばしさが際立つ皮の中に挟まれたあんこもまたお気に入り。水分を飛ばしある程度の固さに練り上げてありながら、お砂糖の甘さはあくまで小豆の香りや風味をそっとしたから支えるような塩梅。甘さは控えめですが、この素朴さがむしろ高級感といいますが特別感につながっているかのよう。

しゅわり、とろり、しっとり、半分に割るだけで指先に伝わる三つの触感
しゅわり、とろり、しっとり、半分に割るだけで指先に伝わる三つの触感

あんこと皮、両者をひとまとめにする羽二重餅が舌先に絡みつき、全体をひとまとめにすることで、羽二重餅のお餅特有のまろやかさがむしろアクセントになっているという不思議な感覚。このとろりとした瑞々しさと糸が引いてプツン、と切れるこの瞬間。これは松岡軒さんのどら焼きならではですね。

羽二重餅の匠ならではのとろみ具合や粘り気の加減が秀逸
羽二重餅の匠ならではのとろみ具合や粘り気の加減が秀逸

新しい素材ではなくとも、もともと和菓子の世界にあるお餅をサンドしたこちらのどら焼き。定番同士の組み合わせながら、意外にも新しい発見になるかも…!新しい食材もウェルカムですが、伝統の中で遊ぶというのもまた良いものですね。

最後までご覧いただきありがとうございました。

柳谷ナオ

<松岡軒・本店>
公式サイト(外部リンク)
福井県福井市中央3-5-19
0776-22-4400
9時~18時(カフェ 11時~17時)
定休日 元旦(カフェ 木曜)

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

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