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【人生餃子】名古屋に来たらいっぺん食べてみや〜!愛知出身の町中華マニアが推すなごやめし『皿台湾』

町乃華菜子町中華愛好家

名古屋には関東風や関西風のどちらとも言えない独特な食文化『なごやめし』が存在する。味噌カツや味噌煮込みうどん、ひつまぶしなどを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。特産品の八丁味噌やたまり醤油を使ったコク深い味や、甘辛い味を好む。名古屋の中華料理店で提供されている台湾ラーメンも、ニンニクの旨さと唐辛子の辛さのコク深い旨辛味が特徴の"なごやめし"の一つとして有名だ。

地元ではお馴染みの町中華

名古屋市中川区に店を構える『人生餃子』はご存知だろうか。地元では"お馴染みの町中華"の名店だ。屋号の通り餃子屋であるが、餃子以上に飛ぶように売れる看板料理がある。それが名古屋のソウルフードとして親しまれている『皿台湾』である。油通ししたもやしとニラに台湾ミンチを炒め合わせ、店自慢のタレを絡めた和え麺にのせたのが"皿台湾"だ。

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皿台湾チャーシュー(1枚のせ)1,040円
皿台湾チャーシュー(1枚のせ)1,040円

汁なし台湾ラーメンを『皿台湾』と名付けた。大将の水谷さんは新たな"なごやめし"となった皿台湾を発案し、一代でこの店を人気店へと築き上げたのだ。

皿台湾のルーツは修行先にあった

20代の頃、映写技師として働いていた。映画の世界を志し、会社務めをする傍らでシナリオを書いていた。幾度となく東京の制作会社へシナリオを持ち込んだそうだ。これが最後のチャンスだと決断し、30歳を迎えるまで挑んだが声はかからなかった。
その後、興味があった料理の世界に飛び込むために調理学校へ通った。卒業するまで夢を諦めずにいた熱い情熱の持ち主だ。今もその情熱を料理に注いでいる。

大将の水谷さん
大将の水谷さん

調理学校を卒業後、若いとは言えない年齢が理由で勤め先に苦労した。持ち前の情熱や人柄で、縁あって台湾ラーメンで有名な『ラーメン江楽』の松原大将のもとで修行することができた。その修行先でスープが売り切れた際に、賄い料理として作ったのが"皿台湾のルーツ"で始まりだった。
独立した際に看板料理だった餃子だけでは集客できずに悩み、修行先で評判だった皿台湾をメニューに加えることを思いついた。それが功を奏した。皿台湾がなければ店は潰れていたかもしれないと話す。

絶大な人気を誇るチャーシュー

一日30kg以上は仕込む巨大なチャーシュー。愛知県知多産の『知多ハッピーポーク』を使用している。肉質が柔らかく甘みが強い肉本来の旨味が感じられる豚肉で、名古屋市内にある精肉店の守田ミートのブランド豚をこだわって選んでいる。生まれも育ちも名古屋の大将は、地元への強い愛情がある。名古屋の人が好むまろやかでコクの出るザラメ糖、肉が柔らかくなる赤酒を使い、タレは継ぎ足して作っている絶大な人気のチャーシューだ。

おつまみチャーシュー520円 お酒は二十歳になってから
おつまみチャーシュー520円 お酒は二十歳になってから

柔らかく噛みごたえのあるチャーシューは、一枚240円でどの料理にもトッピングできる。この大きさと存在感のある厚みでお得すぎる価格設定だ。それには理由があるのだ。

カウンターにずらりと並ぶチャーシュー。このチャーシューが無ければ人生餃子のスープや料理が完成しないのだという。肉から出る出汁や脂を余すこと無くすべて料理に活用している。すべての食材を無駄なく使い切ることで、町中華の安くて旨いを実現している。

汁なし麵は他にも

皿台湾以外にも汁なし麵がメニューにある。『皿たんたん麺』はじっくりと丁寧に20分炒った胡麻から作る自家製の芝麻醬を使用した汁なし担々麵。凝縮された胡麻の香ばしさで、他で食べる担々麵とは一味も二味も違う。濃厚であるのに油はあっさりと感じる。

皿たんたん麺850円
皿たんたん麺850円

麵にもこだわりが

中華麺や餃子の皮は『名古屋製麺』のものを使用している。きしめんや味噌煮込み用うどんも製造する地元では有名な製麺所だ。"名古屋製麵"と修行先の親方が共同開発した特注の中華麵は、モチモチとした食感で美味しい。こだわりの麺を使用している。

こだわりのアンティーク皿

店で提供される料理は、趣味で集めたこだわりのアンティーク皿が使われている。皿台湾はボリュームがあり専用皿を使用しているが、ほかの料理では惜しみなく使っている。なかなか見られないレアなデザインのものもある。水谷さん自身が大の町中華好きなのだ。休日ともなれば、町中華を何軒も梯子して楽しむこともある。店の料理にも町中華の伝統へも深い愛情を持っている。

アンティーク皿のコレクション
アンティーク皿のコレクション

創業からの看板

人生餃子は2006年11月に誕生した。創業から変わらず木製の看板がかかっている。ホームセンターで木材を購入して制作した思い入れのあるお手製の看板だ。

自宅があったこの土地に店を構えることに反対されたが、地元にこだわった。店がある中川区八剱町は中川運河からほど近い。名古屋港と都市部を繋ぐ利便性から、工場や倉庫が多く立ち並び、昔から労働者の町だった。製造業が盛んな名古屋の経済の発展を支えてきたこの地域で、働く人々に安くてお腹いっぱいになる、満足感のある料理を提供したい思いがあったのだ。

店の前には八剱名物と看板があるが、今では名古屋名物となった。地元にこだわり、食材や料理に愛情を注ぎ、ロックな生き方のこだわり店主の町中華。ぜひ店を訪れて名古屋の町中華文化を体験してほしい。

【店舗情報】
八剱ROCK 人生餃子
営業時間 11:00〜13:30 17:30〜20:30
月曜日、第4木曜日定休
(日曜日は昼営業のみ)
愛知県名古屋市中川区八剱町3丁目61
営業情報 Instagram

町中華愛好家

味わいある 『町中華』や食堂を巡る体験記。東京近郊の人気店から、常連客が通う隠れた名店を巡る。”日式中華”の文化や魅力、店主の想いを伝えて行きたい。Instagramで町中華での食事の記録を発信中。

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