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訳のわからない奇妙な非行悪行の理由は?:「自己治療」としての問題行動

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
イラストはイメージ:子供の問題行動をどう見るか(提供:イメージマート)

■子供若者の問題行動

笑えないイタズラ、暴力、万引き。もちろん、ダメです。叱ることが必要です。ただ、悪い子が悪いことをしたとして、ただ叱れば良いわけではありません。

叱ることで、本人が反省し、良い子になるのであれば、叱ることは大変結構です。

けれども、叱っても叱っても、直らない子もいますね。下手に叱れば逆効果のこともあります。

3回本気で叱って、それでも直らなければ、叱ることには効果がないと考えましょう。何かがあると考えましょう。

ある非行の専門家は、「非行は良いこと」とさえ言います。誤解してほしくないのですが、違法なことをしても良いとか、人を傷つけたり、損害を与えても良いと言っているわけではありません。

ただ、少年たちの問題行動を、単純に悪いこととしてだけ見て、罰を与えれば良いかといえば、違うだろうということです。

大切なのは、本人がきちんと反省し、更生し、より良い人生を歩むことです。頭ごなしに叱り、反省文を書かせ、処罰を与えたとして、それで改善せずに悪行を重ねて、次々被害者が出る様では困ります。

子供若者の問題行動は、彼らからの心のSOSと見ることもできます。彼ら自身が、大きな問題を抱えて苦しんでおり、その問題、その苦しみをどうにかしたいと思うあまりの「自己治療」としての問題行動の場合もあるのです。その様に見た方が、問題解決に近づけることもあるのです。

それは、決して違法行為を認めることでもなく、少年を甘やかすことでもありません。

病気の症状自体は困ったものですが、何の自覚症状もないまま進行する病気はもっと困るでしょう。症状が出ているなら、その原因を探りましょう。

■問題行動を「自己治療」と見ることのメリット

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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