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その移籍は栄転か否か。移籍シーズンで見るべきポイント

杉山茂樹スポーツライター

移籍を機に存在価値を高める選手もいれば、下げる選手もいる。クラブも同様。移籍は、選手とクラブ、それぞれの立ち位置、順列があぶり出される瞬間だ。

放出するクラブ。獲得するクラブ。そして選手。1つの移籍に絡むのはこの3者だ。

選手の立場で言えば、現在のクラブからどのクラブに移籍するかは重要なテーマだ。より高いレベルのクラブに行くか、低いクラブに行くか。選手の価値はそこで明確になる。

一方クラブは、どのクラブへ誰を放出したか、どのクラブから誰を獲得したかが価値のバロメーターになる。

例えば、横浜Fマリノスから中村俊輔を獲得したがっていると言われるジュビロ磐田。中村はまだまだやれそうな選手だとはいえ、現在38歳だ。いま以上の活躍は期待しにくい、いわば下降線を辿っている選手。もし横浜から磐田への移籍が決まれば、両クラブ間のヒエラルキは鮮明になる。ストレートに言えば、横浜が要らないと言った選手を必要とする磐田は、横浜より格下のクラブと言うことになる。

磐田のファンにすれば、喜ぶべき話か、現実を知らされ落胆すべきか、微妙なところだ。元大スターの中村を目の前で見られることは喜ばしい話だが、それは同時に、自らのクラブがB級であることを証明する事象でもある。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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