サッカーセンスとは? その正体とコミュニケーション能力との関係
サッカーセンスとはゲームの中で発揮されるゲームセンス。キックやボール操作、技術の高い選手を見つけ出すことは簡単だが、センスあるなーと思わせる選手を見つけることは簡単ではない。それが原因なのか、センスが話題になることは滅多にない。サッカー話は、選手の巧い下手を技術に力点を置きながら進んでいく。センスは見落としがちな視点だーーとは、土居聖真(鹿島)について批評した別の原稿でも触れたことだが、彼はその意味で貴重。ゲームセンスに優れた数少ない選手に見える。
とかくセンスは、個人技のレベルで語られてきた。センスのある動き。センスあるパス。センスあるドリブル。ゲームセンスについては多く語られてこなかった。ゲーム中に発揮されるべきセンス。周囲の選手と関わる上でのセンス。問われているのは周囲とのコミュニケーション能力だ。一般社会では2、3年前に流行した、少しばかり古さを感じさせる言葉だが、例えば、現在のハリルジャパンに最も不足している要素は何かと言えば、このコミュニケーション能力になる。
ゲームセンスのある選手が少ない。メンバー選考の基準から欠落しているのではないかと疑われる。
単体の力を比較し、その上位順にメンバーを選考する。その結果、名前のある海外組が各ポジションにずらりと並ぶ。実力優先主義と言えば聞こえはいいが、その実力者にコミュニケーション能力が不足していれば、各々の最大値は発揮されない。それぞれの魅力が相殺され、硬直化しているのが現在の姿。土居的な選手が必要だと言いたくなる理由だ。
その昔、日本サッカー協会の技術担当委員はセンスについて、胸を張るようにこう話した。
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