前評判は低くてけっこう。番狂わせの芽を育むには
知名度の高い選手とそうではない選手の差が明確になっている。ページビューが見込める選手の知名度は必要以上に上昇。見込めない選手はその煽りを受け、実力以上に目立てていない。選手に限った話ではない。監督、チームもしかり。
日本代表選手か否か。海外組か否か。基準となる一つの境界線だ。代表メンバーに選ばれていない国内組の知名度は低い。代表選手と実力の差が紙一重でも、大きな差に見える。
こうした二層化の構造が厳然と存在するのがいまの社会。ところが実際は、まったくそうではない。すべての差は微妙なハズ。特にサッカーという競技においては、だ。なにより証拠がない。野球のようなデータは存在しない。代表選手か否かで言えば、あくまでも監督の主観。海外組か否かの括りもザックリ過ぎる。現在の力を正確に反映したものでもない。
見えやすいもの、分かりやすいもの。見えにくいもの、分かりにくいもの。鹿島アントラーズは、昨季のJリーグ、ファーストステージを制してもなお後者に属した。日本代表でスタメンを張る選手はゼロ。W杯最終予選のメンバーに加わったのは植田、永木だけ――との情報が流れれば、対戦相手は多少なりとも油断する。クラブW杯で決勝に進出。レアル・マドリー相手に大善戦した理由の一つだと思う。
この記事は有料です。
たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバーをお申し込みください。
たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバー 2017年1月
税込550円(記事4本)
※すでに購入済みの方はログインしてください。