【綾町】静かな森に佇む綾神社:狛犬の顔をよく見ると……独特の魅力とは?
初詣でおなじみの綾神社。馬事公苑の横の小さな森の中、静かにたたずんでいます。自然と一体化した境内は魅力的です。そしてここの狛犬はとてもユニーク。見逃す手はありません。訪れたのは2024年12月中旬。年を越す前に狛犬の紹介を兼ねて、ゆっくり散策してみましょう。
・小さな森の小さな神社
入口から森に入ると、綾神社の鳥居が見えてきます。周りの木と同じ色合いで、周囲の木々に溶け込んでいるようです。
両側の樹々の間にたたずむ拝殿は神々しく感じられます。
沢山の木の中で、右側の大木に目が行きます。
見上げるほどの高さのこの木は、樹齢300年のクスノキで、町指定文化財となっています。
案内板によると高さは19m、幹回りは6mだそうです。
12月中旬ですが、今年(2024年)は境内の紅葉がまだ色づいています。
拝殿に向かって進むと、狛犬がお迎えです。この狛犬が、綾神社の特徴の一つなのです。
・神社の番人たちの顔をよく見ると……
阿吽の秘密 - 狛犬が守る神社
多くの神社には、魔よけのために2匹の像が置かれています。2匹とも狛犬に見えますが、実は1匹は獅子です。そして大抵は獅子が口を開け、狛犬が閉じています。口を開いている像を「阿形(あぎょう)」、閉じている像「吽形(うんぎょう)」と言います。2つ合わせて「阿吽(あうん)」。サンスクリット(古代インド語)の文字では、「阿」は五十音でいう「あ」で、「吽」は「ん」。そこから「阿吽」とは、万物の始まりから終わりまでを意味します。
ここにしかいない?個性を放つ狛犬と獅子
綾神社にも拝殿の手前両脇に、2匹が座っています。
どちらが狛犬で、どちらが獅子でしょう?
一見、どちらが狛犬でどちらが獅子か分かりません。いや……2匹ともまるで別の生き物のように見えます。神社を守ってくれる2匹に対して失礼な言い方ですが、ずんぐりして可愛いです。
さて正解ですが、右の口を閉じている方が狛犬です。
そして左側の口が開いている方が獅子。こちらは球を咥えています。これはどういう意味でしょうね。
横から見ると、2匹とも鼻から下が絶壁で、3頭身です。こういう形は今まで見たことがありません。
今度は拝殿を見てみましょう。
・森と一体となった拝殿
こじんまりとした拝殿は大地の色合いに溶け込み、周囲の森との一体化しています。この日は曇り空でしたが、薄暗い空が神社の不思議な雰囲気を引き立てています。
正月になると、沢山の方がここで参拝をします。
裏側は、苔むした古びた跡や風雨が刻んだ古木など、どことなく年月の痕跡を湛えています。
神社周辺も落ち着いた雰囲気です。
・静寂の中で出会う神社の息吹
綾神社は普段は静かな雰囲気です。特に冬の寒空の下、さらに静けさが増しているように思います。初詣で賑わう前に、この静けさ感じ取って、綾神社独特の狛犬をじっくり見てみてはいかがでしょう。なお正月三が日に限りおみくじが引けるので、ここでの初詣も欠かせませんね。
綾神社
住所:〒880-1303 宮崎県東諸県郡綾町南俣3005
駐車場:有