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汚された「ラブライブ!」マンホール復活! 沼津市15ヶ所で再設置へ

河嶌太郎ジャーナリスト(アニメ聖地巡礼・地方創生・エンタメ)
傷が付けられた渡辺曜のデザインマンホール(5月27日、高橋孝治さん撮影)

 静岡県沼津市を舞台にしたアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」。この作品に登場するキャラクターが描かれたマンホールが、故意に傷を付けられるなどして、6月に撤去されていた。沼津市は10月1日、そのデザインマンホールを今月10日から再設置すると発表した。

 撤去された9枚のマンホールに加え、新規のデザインマンホールが2種類導入される。1つは主人公達が通う高校「浦の星女学院」の校章をデザインしたもの。もう1つは主人公9人が集合しているものだ。

 マンホールは新規デザインのもの4枚と、9人それぞれの主人公が描かれた計13枚が新たに寄贈される。このうち11枚は、デザインは同じだが塗色されていない、黒一色のマンホールとなる。

 新規のマンホールはいずれも寄贈されたもの。寄贈主は「聖地巡礼」を支援するスマートフォンアプリ「舞台めぐり」を開発・運営するソニー企業株式会社で変わらない。

 撤去以前はカラーのマンホールが9ヶ所に設置されていたが、6ヶ所が加わり、全15ヶ所になる。このうち半数近い7ヶ所が、沼津駅前の商店街に設けられる予定だ。

 現在撤去中の、9人の主人公が描かれた9枚のカラーのデザインマンホールは、沼津仲見世商店街に3枚ずつ約4ヶ月おきに交換する形で設置される予定。防犯カメラもあり、人通りも多い商店街に集約することで、事件の再発防止を狙う。

「ラブライブ!」マンホールの再設置マップ(沼津市ホームページより)
「ラブライブ!」マンホールの再設置マップ(沼津市ホームページより)

 再設置にあたり、沼津市水道総務課の担当者はこう胸を撫で下ろす。

「せっかく寄付をいただいたものを回収しているだけでは、ファンの皆さんの意向に添えないところもありました。汚損されたマンホールの修理も終わり、再発防止策など総合的に判断した上で、新規寄贈と合わせて設置することができました」

 ファンからも喜ぶ声が聞こえる。日本各地でデザインマンホール巡りをしている高橋孝治さんは「沼津市のマンホールは質も高く、デザインも可愛い。再設置されたらまた見に行きたい」と話す。

 また、「ラブライブ!」の長年のファンで、沼津市内浦でコスプレイベントの運営に携わる、あきらさんはこう話す。

「劇場版公開前に再設置され、設置箇所も枚数も増えてうれしいです。カラーのマンホールは商店街に移され安心できますが、黒のマンホールは前回被害にあった場所に設置されるので、そこが気になるところです。いずれにせよ、再設置とそれによる盛り上がりが楽しみです」

 2019年1月4日には、劇場版が全国127の映画館で公開される。「ラブライブ!サンシャイン!!」と、沼津市の盛り上がりはまだまだ続きそうだ。

ジャーナリスト(アニメ聖地巡礼・地方創生・エンタメ)

1984年生まれ。千葉県市川市出身。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。「聖地巡礼」と呼ばれる、アニメなどメディアコンテンツを用いた地域振興事例の研究に携わる。近年は「withnews」「AERA dot.」「週刊朝日」「ITmedia」「特選街Web」「乗りものニュース」「アニメ!アニメ!」などウェブ・雑誌で執筆。共著に「コンテンツツーリズム研究」(福村出版)など。コンテンツビジネスから地域振興、アニメ・ゲームなどのポップカルチャー、IT、鉄道など幅広いテーマを扱う。

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