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噴出する大阪カジノ利権: 入札情報が事前流出

木曽崇国際カジノ研究所・所長

あー、ついに出ましたね。大阪カジノ利権。以下、NHKからの転載。

市の調査情報流出で調査へ

http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20141031/5832831.html

担当課長が、前日15日の夜から、民間企業などに個人の携帯電話を使って、「あすから公募を始める」という内容のメールを流していたということです。これについて、橋下市長は記者団に対し、「流出の情報は、僕のところにまず入ってきた。複合型観光施設は、ある意味、ものすごい利権が絡むことで、神経質にならなければならない」と述べました。

大阪のこの種の開発利権に関しては、橋下氏が府知事時代におこったパラマウント構想の顛末が非常に記憶に新しいですね。当時、大阪府のエキスポランド跡地で構想されていたパラマウント映画をテーマとした遊園地構想を、府知事たる橋下氏がなぜか公的入札が開催される前から強力に推しているという状況が生まれておりまして、実はその構想を主導している会社の社長が橋下氏の強力な後援者であったという事がマスコミにすっぱ抜かれた事で大騒ぎとなりました。

以下、当時の状況を伝えた現代ビジネスの記事から転載。

「危険な政治家」 大阪府知事橋下徹の「正体」

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/25049?page=4

現に、経営破綻した大阪・吹田市の「エキスポランド」の跡地に大型娯楽リゾート施設「パラマウント・リゾート大阪」の開発が構想されているが、橋下氏は'09年に開かれた府の部長会議で、「大阪再生の起爆剤になるのは間違いない。いろいろな課題があるが、会社側としっかりとコミュニケーションを取って進めてもらいたい」と指示している。この「会社」は、不動産投資ファンド「燦キャピタルマネージメント」を指しており、同社の前田健司社長は、過去、橋下氏の後援者だったと報じられている。

お国柄というべきでしょうか、どうもあの界隈はこの種の話には必ず様々な「曰く」があるものでして。。以前、別エントリでご紹介した以下のお話なども含めて、常にいろいろ「臭っている」わけであります。

「国内初のカジノは大阪で内定!?」、んなワケないだろ

http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/8555045.html

ちなみに、私自身も大阪市の担当課長は面識はありますが、当然のように事前にそんな入札情報は受けていません。それら情報を民間側の「誰が」供与されたのか。。なんとな良く顔を見知っている人間の名前がマタゾロ出てきそうで非常に嫌な予感はしているのですが、ぜひこれをキッカケにしてカジノ業界に巣食う「膿」を出し切って頂きたいものです。

国際カジノ研究所・所長

日本で数少ないカジノの専門研究者。ネバダ大学ラスベガス校ホテル経営学部卒(カジノ経営学専攻)。米国大手カジノ事業者グループでの内部監査職を経て、帰国。2004年、エンタテインメントビジネス総合研究所へ入社し、翌2005年には早稲田大学アミューズメント総合研究所へ一部出向。2011年に国際カジノ研究所を設立し、所長へ就任。9月26日に新刊「日本版カジノのすべて」を発売。

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