Yahoo!ニュース

ワールドカップ後の日本代表も? もしもラグビーでドラフト会議をしたら2019【ラグビー雑記帳】

向風見也ラグビーライター
齋藤はゴールキッカーとしても期待大(写真:築田純/アフロスポーツ)

 10月16日、今年のプロ野球ドラフト会議が終わった。ラグビー界はワールドカップ日本大会の準々決勝を10月19日以降に控え、20日には初めてこのステージに立つ日本代表が南アフリカ代表と対戦。しかし17日の「Yahoo! トップ」では、どうしてもこれからプロ野球選手となりそうな青年の話題が大きく取り上げられていた。

 本欄でも過去2年実施の「ラグビーのドラフト」を今年もおこなう。2020年1月からの国内トップリーグに加盟する16チームがドラフト会議を実施する場合の「ドライチ」を空想した。

 現実的にラグビー界でドラフトがおこなわれない理由は初開催した「ラグビーがドラフト会議をやらないわけ。もしやったらどうなる?【ラグビー雑記帳】」にある通りで、「仮の話なので無意味では」とのご指摘へは「もしもラグビーでドラフト会議をしたら2018。【ラグビー雑記帳】」で反応した。

 日本ラグビー協会は2021年以降にプロリーグの開幕を目指しているが、その審議状況については別記事を待たれたい。

 なお現在開催中のワールドカップの日本代表にあって、学生選手はゼロ。2016年秋に就任のジェイミー・ジョセフヘッドコーチは、日本の学生シーンや国内トップリーグを「アマチュア」と評している。しかし、今回のドラフトで名前の多く出た選手のなかには、早期の代表入りが期待されるタレントもいる。

神戸製鋼=眞野泰地 東海大学 スタンドオフ/インサイドセンター

ウェイン・スミス総監督の意向でフォア・ザ・チームの精神がある人が重用される。現在は外国人を含め選手層は文句なし。タックルのできるプレーメーカーがいれば鬼に金棒。

サントリー=齋藤直人 早稲田大学 スクラムハーフ

地面のボールを投げる動作と球筋は速さ満点。キックの飛距離もありハイテンポに緩急をつけられる。日本代表で同ポジションの流大と切磋琢磨し、2023年の柱となれるか。謙虚。

ヤマハ=齋藤直人 早稲田大学 スクラムハーフ

希少なスクラムハーフ。大学の先輩で大型スクラムハーフの矢富勇毅との併用から、いずれクラブの顔に。

トヨタ自動車=眞野泰地 東海大学 スタンドオフ/インサイドセンター

トヨタ自動車では2017年入部のフランカー姫野和樹、2018年入部の左プロップ三浦昌悟、右プロップ木津悠輔は日本代表入り。2019年にはロック秋山大地も入るなど、若手フォワードが目白押し。インサイドバックスの即戦力が急務な台所事情などを踏まえ、聡明かつ堅守の光る幹部候補生を指名。

NTTコム=齋藤直人 早稲田大学 スクラムハーフ

リクルーティング戦略の光る新興クラブは、お家芸のワイド攻撃を引き立たせる万能スクラムハーフを欲するか。

パナソニック=亀井荷風 長崎北陽台高校 ロック

2018年に東福岡高校の福井翔太と契約したパナソニックは、大幅な世代交代の只中にある。ベテランの多いロックの位置に身長192センチの新星を入れて鍛えるか。

クボタ=岸岡智樹 早稲田大学 スタンドオフ

南アフリカ出身のフラン・ルディケヘッドコーチ体制4年目のチームは、元サンウルブズの田邉淳コーチを迎えてニュージーランドで見られる即興的に映るアタックもインストール中。キックもパスも際立つ聡明な司令塔が重宝されそう。

リコー=武井日向 明治大学 フッカー

現明治大学キャプテンはリーダー候補を複数揃えたい同部に最適。看板の防御でも存在感を発揮しそう。

ホンダ=齋藤直人 早稲田大学 スクラムハーフ

昨季クラブ史上最上位に上がった同部。齋藤が加わればお家芸たるアンストラクチャーからの攻撃をテンポアップさせる。

NEC=山極大貴 専修大学 ロック

日本人選手の数が限られるロックの位置で身長197センチ、体重110キロのハードワーカーを獲得か。

東芝=中野将伍 早稲田大学 センター

壁を突き破る突破役。伝統的に「立ってボールをつなぐ」チームの象徴になれるか。

キヤノン=中野将伍 早稲田大学 センター

日本代表の田中史朗、田村優という司令塔団を獲得。「活かされる側」に即戦力の新人を提案する。

宗像サニックス=齋藤直人 早稲田大学 スクラムハーフ

ハイテンポラグビーを引っ張れる。

日野=山村知也 明治大学 ウイング

現状では他クラブからの移籍組が多い同部。スーパーラグビーのクルセイダーズと連携を取りプレースタイルをブラッシュアップ中。ここではリーダー兼フィニッシャー候補を指名とした。

NTTドコモ=齋藤直人 早稲田大学 スクラムハーフ

久々トップリーグに返り咲き。打倒上位陣を見据え、劣勢局面の接点からも首尾よく球を裁ける戦士がいたら心強そう。

三菱重工相模原=眞野泰地 東海大学 スタンドオフ/インサイドセンター

歴史的に他クラブからの移籍加入選手が活躍する同部。他者と強調しながらリーダーシップのとれる戦士が加入すれば、新たな次元へ到達できるか。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

すぐ人に話したくなるラグビー余話

税込550円/月初月無料投稿頻度:週1回程度(不定期)

有力選手やコーチのエピソードから、知る人ぞ知るあの人のインタビューまで。「ラグビーが好きでよかった」と思える話を伝えます。仕事や学業に置き換えられる話もある、かもしれません。もちろん、いわゆる「書くべきこと」からも逃げません。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

向風見也の最近の記事