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「印象が強く残る試合になる」。日本代表・齋藤直人、フランスで合流し大一番へ。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
写真提供=JRFU

 海外組が加わった。

 齋藤直人が現地時間11月4日、欧州遠征中のラグビー日本代表へ合流。同9日にパリのスタッド・ド・フランスであるフランス代表戦へ持ち場のスクラムハーフとして先発する。

 今季からトゥールーズに在籍。フランスのプロリーグであるトップ14で昨季優勝したクラブで、同国代表主将のアントワーヌ・デュポン主将と定位置を争う。今度の代表戦では対面で激突する。

 同8日、試合前日練習を前にオンラインで会見した。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

——デュポンが対面に入ります。どう戦ってどんなプレーをしたいか。

「特別、彼に対してというのはなく。自分たちがどう戦うかというところでは、まずキックゲーム。フランス代表はかならずキックをうまく使ってくるのでその対応を。あと、敵陣では自分たちの強みであるスピードを活かしたアタックをしたいと思います。その中でデュポンと(スタンドオフのトマ・)ラモスはキーになる。キッキングゲームで、その2人にいいキックを蹴らせない、いい判断をさせないのがキーです」

——エディー・ジョーンズヘッドコーチには「テンポのコントロール」を期待されているようだが。

「テンポのコントロールというよりは、どこで攻めて、どこでボールを手離すか、どこのエリアで攻めるかの判断が多分、『テンポのコントロール』に通じるところかと。ニュージーランド代表戦を映像で見たら、自陣で果敢に攻めていた。そうしなければいけない状況もあるとは思いますが、序盤はいかに敵陣で戦えるかが大事になると思います」

——フランスにあって最大級のスタッド・ド・フランスでプレーします。

「恐らく今後も印象が強く残る試合になるんだろうと思います。あのスタジアムでの試合は僕自身にとっても、チームにとっても初めてと聞いている。チームメイトとテストマッチで対戦するというのも、初めての経験。楽しみです。

 2年前にトゥールーズでフランス代表と試合をした時も、アンセム(国歌斉唱)の段階から——当たり前ですけど——アウェーを感じて。今回は、あの時の倍以上の観客が来る。間違いなくアウェーになることが想定されます。まず、歓声のなかでもコミュニケーションを工夫して、意思疎通をする。またアウェーで大事になるのは、勢いを自分たちでどう生み出すか。(勢いは)自分たちで作り出すことしかできない。そこはうまくハドルを組んだり、リーダーのアクションで作れたりしたらと思います」

 世界トップクラスの選手が集まるトップ14にあって、何を得たか。「僕からは伝えにくいですけど」と控えめながら、圧力下でキックを蹴る技術、心構えに磨きがかかったと認める。自らイニシアチブをとってゲームを進める重要性も再確認したようだ。違いを示すか。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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