福岡を代表する格安店の一つ〈中心街・天神エリアでの最安値を返上〉それでも豚骨ラーメン一杯が490円!
ゴールデンウィークに入ったばかりの4月の終わり頃に衝撃的な情報が飛び込んできた。天神エリアでラーメン1杯の最安値フォルダー〈楽勝ラーメン〉がついに、ベーシックな「楽勝ラーメン」の価格を390円から490円へ変更し、エリア内での最安値店の称号を返上したという。しかし、これまでの企業努力と、今回の原材料費等の価格高騰に伴うその決断については「今まで本当にありがとうございました」と心から敬意を表しお礼を申し上げたい。
とは言え、今現在のベーシックな「楽勝ラーメン」の価格もワンコイン以下の490円という、近年ではあり得ない価格設定であることは変わりなく、これからも定期的に訪問するという微々たる応援ではあるけれど通い続けて行こうと思った次第。
福岡県福岡市中央区天神は、福岡県内で最も大きな繁華街になる「天神」。その中心地にある「新天町商店街」に並行する通り「天神サザン通り」沿いにあるパチンコ店に併設された店舗が〈楽勝ラーメン〉である。
今までの〈楽勝ラーメン〉の低価格の要因は、同グループのラーメン店(豊久)も含め、飲食店をいくつも経営されている企業体の中の「一つのブランドとしてのスケールメリット」に加え、パチンコ店との併設という(おそらく)家賃の安さなどもあり、他店の追随を許さない「格安」を提供できる下地があってのことだろうとは思う。しかしながら、近年の物価の高騰により、そのビジネスモデルについても決して順風満帆とはいかず、今回の値上げの決定に繋がったと想像できる。そういった意味でも低価格路線の代表的なお店が値上げするという決断は、現在同様の理由で苦しんでいる多くの個人店のみなさんへの勇気や励ましにも繋がるのではないだろうか。
外観も内観もすべて変更されていた
今回、実際に訪れてみると店頭の様子も様変わりしていて、これでもかと複数箇所にある看板やサインに雑然と表示されていた「390円」の文字すべてが「490円」に変更されていた。しかも緊急時によくある現状の数字の上に、新しい数字の貼紙やカッティングシートを貼るという苦肉の策ではなく、メニュー表や店内POPも含めた全面的な変更という強い意志が伝わってくる。
店内に入って左手にある券売機にも価格改定の説明表示があり、それを眺めながら楽勝ラーメンとのセットになる「半チャーハンセット」を選択し発券。さらに「煮玉子」をトッピングする組み合わせにした。コの字型カウンター席の右手奥の席に着席。スタッフの方に食券2枚を渡しつつ麺の硬さは「カタ」で注文。
お値段以上のデフォルトラーメン
待つことしばし。まずは煮玉子がトッピングされたラーメンが配膳され、その後、時間を置かずに半チャーハンも到着。どちらも変わらず美味しくて、これからも定期で訪問したいと思う。
ベーシックな一杯の安定感が秀逸
クリーミーな豚骨スープは脂感控えめなスッキリとした一杯。まろやかな味わいが心地よく、合わせる細ストレート麺はモッチリな食感ながら歯応えもある逸品。デフォルトの「楽勝ラーメン」は、チャーシュー、ネギのベーシックな中に、もやしが少々入った変わり種。そこにトッピングの半熟トロッとな美味しい味付けの煮玉子が最高の組み合わせ。
半チャーハンも炒め立ての本格派
ちょうど座った席が、厨房のすぐ横で、チャーハンをつくる鍋振りの小気味良い音のリズム感が気持ちよく、とても楽しめるひと時だった。その半チャーハンが配膳された一皿は、パラッとした食感と少し濃い目の味わいで本格的と分かる逸品。さらに卓上にある、辛子高菜と紅生姜が無料でいただけるので、ぜひお試しを。
最寄りの駅は、西鉄天神大牟田線の「福岡天神駅」と福岡市営地下鉄の「天神駅」。福岡を代表する中心街なので、どこからでも交通アクセスは抜群です。
最後に、誤解を恐れずに言うと、格安店の代表的なお店の値上げは、今まで値上げを躊躇していた個人店が価格を上げやすくなることに繋がり、救われるところも少なからずあるのではないだろうか?と想像したりもします。値段が安いということは消費者にとってはもちろん、とてもありがたいこと。しかし物価の高騰がおさまらない状況で、大好きなラーメン店が価格を上げられず、それで潰れてしまっては本末転倒で意味がありません。綺麗事かもしれませんが、頑張りすぎず、適正と言われる価格で多くのお店が儲けを出しながら存続できること。それが、いちラーメンファンとしての望みです。
楽勝ラーメン
住所 :福岡県福岡市中央区天神2丁目6-36[地図]
営業時間:11時00分〜21時30分(O.S.21時00分)
店休日 :不定休 ※要確認
駐車場 :専用駐車場なし、近隣に有料駐車場あり