森保ジャパンは最後のテストマッチでどう戦うべきか?冨安、遠藤、守田の穴埋めと重要な「プレスの嵌め方」
最後のテストマッチが、行われる。
カタール・ワールドカップが、いよいよ開幕する。日本代表は現地時間17日にカナダ代表と強化試合を行い、グループステージ初戦のドイツ戦に向けて準備を整える。
■スタメンとコンディション
だが森保ジャパンは万全な状態ではない。
冨安健洋、遠藤航、守田英正とレギュラーの3選手の欠場が決定的だ。森保一監督は、彼らの穴を埋めるために、代役を見つけなければいけない。グループステージの3試合だけを考えても、レギュラー格の選手が全員フルコンディションで戦えるとは思えないからだ。
具体的に論じる。冨安の代わりには板倉滉、遠藤と守田の代わりには田中碧と柴崎岳が入るだろう。
森保監督はW杯で【4−2−3−1】のシステムを使うつもりだ。ゆえに、カナダ戦でもそのシステムが選択されるはずである。
■独りでは戦えない
…と、ここまで、ありきたりな話をしてきた。どのメディアでも、述べられているような話題だ。
いま、日本のメディアでは、「森保ジャパンがどのように戦うか」がフォーカスされている。
そして、それは【4−2−3―1】で、CFにプレスを掛けられる走力のある選手を据え、前線からプレッシングを行うということに集約されてきている。
だがフットボールは相手ありきのスポーツだ。このカナダ戦でも、日本がどのように戦うか、誰が起用されるかの話ばかり。カナダの戦い方が、文脈からゴッソリ抜けている。これでは、カナダにも、ドイツにも、コスタリカにも、スペインにも勝てないだろう。
なので、ここでは、カナダの戦い方を文脈に入れながら、初戦のドイツ戦に如何に繋げるべきかまで語りたい。
前置きが長くなったが、肝心のカナダだ。
カナダは直近の3試合で【3−4−3】で戦っている。このチームの主力はジョナサン・デイビッド(リール)、アルフォンソ・デイビース(バイエルン・ミュンヘン)、ステファン・ユースタキオ(ポルト)である。ただ、W杯最終予選では【4−4−2】をはじめ、複数のシステムを使い分けている。この辺りは、ひとつ、ポイントだ。
【3−4−3】のカナダに対して、日本は【4−2−3―1】でどのようにプレスを嵌めるべきか。そこが最初の焦点になる。
まず、3バックに対して、「CF +2SMF」で嵌めにいく。
この時、難しくなるのが、ミドルゾーンだ。日本は2列目の選手を2人出してしまっているので、中盤が「3vs4」で数的不利になってしまう。
ここでは、SBの一枚を出すのが、現実的な対応策になる。ボールホルダーの同サイドで、SBを前に押し出す。これで数奇不利のシチュエーションを改善できる。
最終ラインがマンツーマンでマークにつけば、ボールの出しどころは抑えられる。
■可変への対応
相手の初期配置のシステムに対して、スライドしながら、応じる。これは現在の日本代表でもできるだろう。
問題は、その次の段階になる。前述の通り、カナダは最終予選でシステムを柔軟に変えながら戦っていた。それは試合中も同様で、ビルドアップやボールの動かし方を変えてくる可能性がある。
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