円安の進行と2024年の世界経済の予測
シンガポール在住FPの花輪陽子です。円安と2024年の世界経済の動向がどうなるか気になる人も多いでしょう。
昨年のこの時期に予測された2023 年の世界経済に関しては、多くのエコノミスト達が非常に高い確率で23年中に不況が到来すると予測していました。しかし、実際には不況は来ませんでした。そして、22年よりもマーケットは安定をしていました。
世界三大投資家のジム・ロジャーズ氏も大勢のマーケット関係者たちが「不況が来る」と予測する場合は大体不況は来ないものだと言います。しかし、彼自身も24年からは気をつけた方がよいと警戒をしています。
円安に関しては2022年の年末と似たような動きをしており、2023年の後半にも大幅に円安が進行しています。
日銀は10月の会合で長期金利の上限のめどを1%とし、一定の上昇を容認しました。マイナス金利やETFの買い入れは維持するという方向です。
これを受けて、新発10年物国債利回りは10月31日には1%に限りなく近づく水準となりました。為替は11月5日に1ドル151.5円まで一時進みました。
他の国が引き締めを行っている中、日銀が経済緩和を継続させ続けるとどうなるでしょうか。通貨の流通量が増えると、物価や資産価格を上昇させます。資産価格の上昇によって、都心の不動産や日本株は実際に上昇をしています。
インフレになると、日本円の価値は下がり、日本円の現金を持つことで額面はそのままでも購買力が減ってしまう可能性があります。
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その上でインフレヘッジのために、外貨に替える、株式や不動産を保有するなどを検討する必要があります。
また、日本のマクロ状況に関しても少子化と債務の上昇などで、将来的に厳しい状況です。ジム・ロジャーズ氏は、円はよく持ちこたえているほうだとよく言います。
現在、日本の借金は国の経済規模(GDP)の250%を上回っています。時系列で見ると、1980年は50%程度でした。
https://ecodb.net/country/JP/imf_ggxwd.html
日本の出生率は下がり続けています。2022年の出生生数は7年連続で減少し、過去最少だった21年を4万875人下回る77万747人となり、初めて80万人台を割り込みました。合計特殊出生率は過去最低の1.26で前年の1.30より0.4ポイント低下しています(厚生労働省)。
https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/19/backdata/01-01-01-07.html
日銀はイールドコントロールで長期金利が急激に上昇しないようにコントロールしています。しかし、為替市場に関してはコントロールができません。金利を上げられない場合、長期的に円安が進むことが予測されます。
また、イールドコントロールをやめた場合、予想以上のインフレ等に苦しむリスクも考えられます。
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