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ワールドシリーズで投げる日本人投手は山本由伸が7人目。白星を手にすれば何人目!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
山本由伸(ロサンゼルス・ドジャース)Oct 11, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 10月26日(日本時間27日)、山本由伸(ロサンゼルス・ドジャース)は、ワールドシリーズ第2戦の先発マウンドに上がり、カルロス・ロドーン(ニューヨーク・ヤンキース)と投げ合う。

 この登板により、山本は、ワールドシリーズで投げた日本人投手の7人目となる。これまでの6人は、2007年の岡島秀樹松坂大輔、2013年の田澤純一上原浩治、2017~18年の前田健太(現デトロイト・タイガース)、2017年のダルビッシュ有(現サンディエゴ・パドレス)だ。

 最初の4人は、ボストン・レッドソックスの投手としてマウンドに上がった。前田とダルビッシュは、ドジャースの投手として投げた。

 先発登板は、松坂とダルビッシュに続き、山本が3人目となる。松坂が2007年の第3戦、ダルビッシュは2017年の第3戦と第7戦に登板した。それまでのシリーズの勝敗は、それぞれ、レッドソックスが2勝0敗、ドジャースは1勝1敗と3勝3敗だった。

 リリーフも含めると、日本人投手の登板は23度。4シリーズで17試合だ。松坂と岡島、田澤と上原、ダルビッシュと前田は、それぞれ、同じ試合の登板があるので、合計の登板数と試合数は一致しない。

筆者作成
筆者作成

 先発とリリーフを問わず、1登板で3イニング以上は、2007年の第3戦に5.1イニングの松坂だけ。この試合は、3回表にレッドソックスが松坂のヒットなどで6点を挙げ、松坂はそのリードを保ったまま、6回裏の1死から2人続けて四球で歩かせたところで、マウンドを降りた。続いて登板した投手が走者を2人とも生還させ、松坂に2失点(自責点2)が記録された。

 その後、7回裏に岡島がマット・ホリデイに3ラン本塁打を打たれ、一時は1点差となったが、レッドソックスは追いつかれることなく、10対5で勝利を収め、松坂に白星がついた。ちなみに、岡島からホームランを打ったホリデイは、ジャクソン・ホリデイ(ボルティモア・オリオールズ)の父だ。

 ワールドシリーズで白星を手にした日本人投手は、松坂以外にはいない。ダルビッシュは、2登板とも黒星を喫した。セーブは、上原が2。ホールドは、岡島が3、田澤が2、前田が1だ。

松坂大輔 Oct 27, 2007
松坂大輔 Oct 27, 2007写真:ロイター/アフロ

 2イニング以上の登板は、松坂の他に、岡島が1度、前田は2度記録している。

 岡島は、日本人投手初のワールドシリーズ登板となった、2007年の第2戦に2.1イニング。6回表の途中から8回表の途中まで投げ、対戦した打者7人をいずれもアウトに仕留め、その最後は松井稼頭央から三振を奪った。

 前田は、2017年の第3戦が、2回裏の途中から5回裏の途中まで2.2イニング。翌年の第3戦は、15回表と16回表に投げ、5者連続奪三振を記録した。その2人目の打者は、当時、レッドソックスにいたムーキー・ベッツだ。この試合は、18回裏にマックス・マンシーがサヨナラ本塁打を打った。現在、ベッツとマンシーは、山本とチームメイト。今年のワールドシリーズにも出場している。

 なお、日本人投手を擁してワールドシリーズに臨んだ、これまでの4チーム中、2007年と2013年のレッドソックスは、4勝0敗と4勝2敗で優勝を飾った。一方、2017年と2018年のドジャースは、3勝4敗と1勝4敗で敗退している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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