月で観測された謎の地震、5分おきに規則正しく発生する驚きの理由とは?NASAの人工月震実験と月空洞説
地球で頻繁に発生している地震。実は月で起きる「月震」も度々観測されていることをご存知でしょうか。本記事では、5分おきに起きる不気味な月震や、過去にNASAが実施した人工月震実験をご紹介します。
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■月で観測された規則的な謎の地震
2023年、NASAは月面で発生している微弱な月震に関する発表を行いました。その月震は約5分おきに規則正しく観測され、毎日同じ時間に揺れが始まっていたのです。
察しの良いスペースチャンネルの皆さんなら、宇宙人の地下活動だとすぐに気付いたかもしれません。そうなんです、実はこの地震の犯人は、アメリカがアポロ計画でかつて月面に残した宇宙船だったのです。
月の表面温度は昼に110度、夜にマイナス170度と大きく異なっています。この激しい温度差により、人工構造物が膨脹と収縮を繰り返すことで、宇宙船が小さな揺れを発生させていたのです。そのため、太陽が照射されてから規則正しい間隔で揺れが発生していたんですね。NASAは人工知能を活用し、月震の震源を特定するためのアルゴリズムを開発したとのことです。
■NASAが行った人工月震実験
NASAのアポロ計画では、月着陸船が月面を離陸する際に、装置を落下させて人工地震を発生させる実験を行いました。その結果によると、震源から140km離れた地点の地震計で3時間20分もの間振動が続いたのです。
地球での地震は、すぐにピークに達し急速に揺れが弱まりますが、月では徐々に波動が大きくなっていき、長時間その状態が継続される、まるで鐘のような振動だったのです。このことから、月の中は空洞、もしくは内部の密度が非常に低いのではないかという仮説があります。
月は、過去に惑星が地球に衝突し、その破片が集まって月ができたとする「ジャイアント・インパクト説」が有力ですが、実はいまだ起源が解明されていません。通常の惑星と衛星の比率に比べ、あまりにも大きすぎる月。SFの世界では、月は内部がくりぬかれた巨大な宇宙船なのでは?という声もあるほどです。
まだまだ謎が多い月ですが、今後の宇宙開発が進むにつれて解明が進むと良いですね。
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