”森保ジャパン”の絶対キーマン三笘薫と共鳴する7人の仲間たち
第二期”森保ジャパン”の6月シリーズはエルサルバドルに6ー0、ペルーに4ー1で勝利。内容的にも実りある2試合となりました。
ペルー戦を前に「”森保ジャパン”ペルー戦で猛アピール期待のシックスメン」として今後のA代表で飛躍が期待される6人をピックアップしましたが、今回は3年後の北中米W杯を目指す”森保ジャパン”の中心の一人として期待される三笘薫を軸に、2試合で興味深い共鳴を見せた7人の選手を筆者の目線で選びました。
2試合続けて、左サイドでスタメン起用された三笘薫に関しては森保一監督も主力中の主力と考えているはずで、その意味では三笘とピッチ上で良好な関係を見せた選手はW杯優勝を目標に掲げるチームで重要な存在になっていく期待が高まるでしょう。
伊東純也
まさに”左右の槍”としてペルー戦で相手の脅威に。ただ、縦に仕掛けるだけでなく、左で三笘が持てば伊東が反対側からゴール前に、伊東が持てば三笘がゴール前に入ったり、あるいはわざと外に張って伊藤洋輝や旗手怜央の攻め上がりを助けた。パリ五輪世代など若手の台頭もありそうな両翼だが、この二人がそのまま主力として3年後に臨む可能性は十分だ。
旗手怜央
今回のシリーズで着実に序列を上げた一人で、4ー1ー4ー1の左インサイドハーフという最も得意なポジションで輝きを放ったことは大きな自信になったようだ。もちろん川崎時代の同僚でもある三笘との連携はお手のものだが、エルサルバドル戦では守田英正、ペルー戦では遠藤航というタイプの異なるアンカーをうまくサポートして、なおかつタイミングの良い攻め上がりも見せたことは森保監督もメモしたはず。
伊藤洋輝
ペルー戦で左サイドバックとして三笘をフォローアップしながら、タイミングよくスペースに攻め上がり、左足で殊勲の先制点を決めた。メインはセンターバックで、これまで何度か起用されたサイドバックでは三笘との連携に苦しむ姿も見られた。しかし、単騎でも仕掛けられる三笘のスペシャリティを邪魔することなく、ボールロストした時の守備やバックパスからのクロスといった効果的な選択を見出しており、本人も3バック左を担うシュトゥットガルトと同じようなプレーができたと語る。二人の関係性はトンネルを抜けた感があり、今後の楽しみが増した。
森下龍矢
エルサルバドル戦で三笘と左のコンビを組んだが、名古屋ではウイングバックとして稼働する選手らしく、精力的なライン側での上下動で違いを生み出した。三笘は縦にも中にも仕掛けられる選手だが、森下とのコンビではカットインでゴール前に関わるシーンが多く、それに連動して森下も三笘を繰り返し追い越した。左インサイドハーフの旗手を絡めたコンビネーションも面白かった。ただ、早い時間の退場劇で相手が10人だったこともあり、またの機会があればあららめてチェックしたい組み合わせだ。
久保建英
エルサルバドル戦で4ー1ー4ー1の両翼を担ったが、左の三笘とは異なり、右インサイドハーフの堂安律とクローズな距離感で多彩なチャンスメークを見せた。欧州のトップリーグで結果を出した二人が直接絡むオーガナイズではないが、相手に的を絞らせない効果は大きい。ペルー戦では途中投入の久保が右インサイドハーフ、堂安がアウトサイドという関係もテストされたが、この形であれば堂安が中、久保が外の方が可能性は広がるかもしれない。
谷口彰悟
勝って知ったる川崎のホットラインであり、直接的なパス交換に限らず、三笘が攻撃にフォーカスしやすい環境を整えてくれる谷口の存在は頼もしい。前回のサイクルより森保監督がビルドアップの設計に注力することで、谷口自身の重要性も高まっている。中東のカタール移籍は賛否両論あったが、新しい道を作っていくことにやりがいを感じており、キャプテンを担う遠藤航とはまた違った影響力もある。3年後、大会中に35歳の誕生日を迎える谷口が北中米W杯のピッチに立っていても、何の不思議もない。
上田綺世
エルサルバドル戦で自ら得たPKによる待望の代表初ゴールを記録した。二人の関係から直接のゴールは生まれなかったが、ユニバーシアードや東京五輪で組んできているだけあって、お互いのイメージを感じ合える関係にある。三笘が攻撃の中心になることで、上田のフィニッシュワークはさらに研ぎ澄まされて行きそうだが、エルサルバドル戦後に負傷離脱を強いられており、流れの中で三笘のアシストから上田がゴールを決めるシーンは次回にお預けとなった。