伊東のスタメン起用はあるか、初招集の大橋は。”森保ジャパン”10月シリーズの選手起用を読み解く。
森保一監督は10月シリーズの最終予選サウジアラビア戦、オーストラリア戦に向けた27人のメンバーを発表しました。
前回から中山雄太(FC町田ゼルビア)と浅野拓磨(マジョルカ)が怪我で招集外に、パリ五輪代表のエースだった細谷真大(柏レイソル)も今回は外れた一方で、MFの藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)が2022年E-1選手権から2年ぶりのA代表、DFの瀬古歩夢(グラスホッパー)が復帰。そしてイングランドのチャンピオンシップでゴールを量産中のFW大橋祐紀(ブラックバーン)が初招集されました。
なお、A代表デビューの前回に引き続き招集された高井幸大(川崎フロンターレ)が町田戦の前半に負傷交代。代わりに同じパリ五輪世代から関根大輝(柏レイソル)が追加招集されています。
基本的に6月の二次予選、9月の最終予選2試合で使った3ー4ー2ー1を継続すると予想される中で、選手起用はどうなっていくのでしょうか。
こうして全体の構成を見ると、前回はフィールド選手で出場機会が無かった菅原由勢(サウサンプトン)、望月ヘンリー海輝(FC町田ゼルビア)、長友佑都(FC東京)、旗手怜央(セルティック)の4人が引き続き、招集されていることです。これはサウジアラビアやオーストラリアとの対戦も考えて、3ー4ー2ー1での起用を想定できているのか、4バックをオプションとして使う時の想定をしているのかが気になるところです。
2シャドーに関しては南野拓実(モナコ)と久保建英(レアル・ソシエダ)なら左が南野、右が久保になりますが、鎌田大地(クリスタル・パレス)と南野の組み合わせであれば、南野が右シャドーに回る形になるはずです。また基本布陣で左ウイングバックに4人いる構成ですが、今回は浅野がいない状況で、前田大然(セルティック)もシャドーの候補になるかもしれません。
また9月の段階では限られた時間の中で、ポリバレントな起用は鎌田をシャドーからボランチに下げたぐらいでしたが、三笘薫(ブライトン)や伊東純也(スタッド・ランス)、堂安律(フライブルク)のシャドーというのも組み合わせによっては考えられます。前回の中国戦とバーレーン戦は多くの時間帯で、相手を押し込む前提で、左右のウイングバックを攻撃的なセットにしていた向きもあります。
サウジアラビアを相手に、アウェーで押し込まれる時間帯も考えたら、右ウイングバックには菅原を起用して、堂安は右シャドーという選択肢もあるでしょう。左ウイングバックで長友を起用する場合に、三笘と中村敬斗(スタッド・ランス)をシャドーに上げるというケースも同じです。また初招集の大橋は基本的に1トップで上田綺世(フェイエノールト)や小川航基(NEC)と争うことになりますが、広島時代は2シャドーから鋭い動き出しでゴールを記録していたこともあり、森保監督が大橋をシャドーで計算している可能性もあります。
ボランチではパリ五輪世代から藤田が選ばれたことは、また中盤における競争の活性化を期待できます。瀬古に関しては今回、引き続き冨安健洋(アーセナル)と伊藤洋輝(バイエルン)が怪我で招集外という事情もあり、またと無いチャンスかもしれません。右利きですが、左足のキックも遜色ないものがあり、3バックなら中央も含めて全てのポジションで可能です。
3バックは現在のファーストセットである板倉滉(ボルシアMG)、谷口彰悟(シント=トロイデン)、町田浩樹(ユニオン_サンジロワーズ)も含めて、見えない戦いもあります。望月に関しては4バックの右サイドバックがハマるイメージはある中で、森保監督が3バックでどういう適性を見出していくのか。もちろんパワープレーで投入することも可能ですが、起用法が最も未知数な一人かもしれません。
ただ、高井の負傷事態で本職のセンターバックが一人減っており、同じく右サイドバックを本職とする関根との使い分けがどうなるのか。町田ではセンターバックで出る機会も増えていることから、望月が3バックの右で使われる可能性は十分にあると考えられます。関根に関しても攻撃的とは言っても大枠では堂安や伊東とは本質的にキャラクターが異なるめ、3バック継続であればウイングバックよりもセンターバックがメインになる可能性もあります。ただし、やはりサウジアラビアやオーストラリアと言った、9月の相手よりポゼッション能力が高い相手との兼ね合いも考えると、右ウイングバックでも想定できます。
また9月シリーズでは決定的なゲームチェンジャーとして大きな役割を果たした伊東を引き続き、同じように使っていくのか。それともスタートから左の三笘と並び立つことがあるのか。最終予選の中でも厳しい戦いが予想される2試合だけに、注目したいところです。