”森保ジャパン”ペルー戦で猛アピール期待のシックスメン
第二期”森保ジャパン”6月シリーズの2試合目となるペルー戦が大阪の吹田スタジアムで行われる。
エルサルバドル戦でスタメンではなかった”サブ組”から、ペルー戦の猛アピールで9月の欧州遠征に向けて、序列を覆す選手は誰なのか。5人をピックアップする。ただし、新キャプテンに指名された遠藤航(シュトゥットガルト)やカタールW杯の中心的な存在だった鎌田大地(フランクフルト)、伊東純也(スタッド・ランス)は対象外とする。
伊藤敦樹(浦和レッズ)
人呼んで”浦和の漢”。川村拓夢(広島)のコンディション不良により追加招集で合流、翌日にはぶっつけで途中投入された。それでも慣れない4-1-4-1のアンカーで、中盤の競り合いやシンプルなパス出しなど、無難にこなした伊藤。翌日の練習の方が緊張したというが、次に出たときは無難ではなく明確なインパクトを残すことを誓った。
ペルー戦でもチャンスがある場合、同じアンカーなのか、それともインサイドハーフや4-2-3-1のボランチ起用があるのか。浦和レッズのサポーターからは、本来の特長を出しやすいという声も多く聞かれるが、日本サッカーになかなかいない大型ボランチがアンカーのポジションで覚醒すれば、大きく序列を覆す可能性もあるだけに、今後の起用法が注目される。
川辺駿(グラスホッパー)
エルサルバドル戦では後半途中からインサイドハーフに投入されて、スタメンの堂安律とはまた違った縦の推進力やセカンドボール奪取など、短い時間でも特長の一端は見せた。ペルー戦で求められるのはそうした持ち味をはっきしながら、結果に繋げること。練習中のミニゲームでは鎌田大地とフリーマンを組んで、インサイドハーフのコンビをイメージさせる連携も見せており、スイスで磨いた”ボックス・トゥ・ボックス”と青山敏弘直伝の”一本のパス”で、代表定着へ勝負をかける。9月の欧州遠征に向けた代表定着はもちろん、所有元であるプレミアリーグのウルヴズ復帰に向けた英国ビザの取得も注目される川辺にとって、この代表戦の実績も後押しになるはず。
中村敬斗(LASKリンツ)
エルサルバドル戦では三笘薫との交代で左サイドに入り、久保建英のアシストから見事なゴールを決めた。紅白戦では左サイドバックでもテストされたが、ペルー戦を前にした練習を見ても、引き続きサイドハーフで起用される可能性が高い。ただし、三笘に加えて前田大然も候補となる左ではなく、右サイドに回る可能性もある。基本的には左ワイドからゴールに向かうプレーを得意とするが、右で機能することを証明できれば、久保、堂安律、三笘、伊東純也とカタールW杯組が主力に残る二列目でも、代表定着の足掛かりとなるはずだ。
瀬古歩夢(グラスホッパー)
エルサルバドル戦は出番に恵まれなかったが、大阪でのフル稼働に向けて、翌日練習からハッスルする姿が目に付いた。センターバックの左右どちらも高水準にこなせるが、順当なら伊藤洋輝とコンビを組むことになるので、その場合は右側になることが予想される。ペルーは39歳のゲレーロに加えて、ボックス内で抜け目ない動きからゴールを狙ってくるストライカーを揃える。スイスで強いタイプの大型FWとは対峙してきているが、なかなか経験できないタイプのFWを封じることができれば、個人の株は大きく上がる。ビルドアップの質でも違いを見せたい。
相馬勇紀(カーザピア)
今回取り上げた6人の中では唯一の”カタール組”だが、3月は招集外だったこともあり、今回のアピールがドイツとの対戦が決まっている9月の欧州遠征に直結することは間違いない。所属クラブではサイドの攻撃的なポジションで起用されており、終盤戦は3ー4ー2ー1の右シャドーだった。しかし、日本代表の二列目にはタレントが多い状況で、森保監督は相馬にサイドバックでの起用を前々から示唆していたという。ポルトガルでは攻守の1対1に加えて、クロスにも磨きをかけているという相馬。守田英正の展開から古橋亨梧のゴールを演出したクロスでの成果が出た。エクアドル戦後の練習は左右両方で行っており、ペルー戦では左サイドバックで起用される可能性もある。
古橋亨梧(セルティック)
エルサルバドル戦では後半20分に上田綺世との交代で投入されると、巧妙な動き出しから相馬のクロスにヘッドで合わせた。相手が10人、すでに5−0という状況ではあったが、与えられた短い時間で結果を出したことは確かなアピールだ。上田が負傷離脱、エルサルバドル戦で出番のなかった前田も練習では左サイドに入っている。浅野拓磨もエルサルバドル戦は右サイドで、中央の古橋との共存を見せた。韓国に勝利したペルー相手に、より厳しい試合展開が予想されるだけに、スタメンでも途中からでも、よりシビアな状況で真価が問われそうだ。