Yahoo!ニュース

”森保ジャパン”で三笘や伊東のアシストから得点を決める未招集アタッカー5人

河治良幸スポーツジャーナリスト

”森保ジャパン”は最終予選で中国とバーレーンに連勝。好スタートで10月シリーズを迎えます。今回のメンバー選考で注目されるのはFW。バーレーン戦で上田綺世と小川航基が見事なゴールを決めましたが、3ー4ー2ー1のシャドーを兼ねるFWも含めて4枚前後を想定すると、アタッカーは入れ替えの余地があるところです。

左ウイングバックで圧倒的な存在感を見せる三笘薫やようやく復帰した右の伊東純也など、豊富なチャンスメイカーのアシストで得点を決めるアタッカーの有力候補は誰か。所属クラブでのパフォーマンスや適性を筆者の目線で評価し、アジア予選で未招集の5人をピックアップしました。

町野修斗(ホルシュタイン・キール)

昨シーズンはホルシュタイン・キールのブンデスリーガ1部昇格に貢献。5大リーグの1部初挑戦となる新シーズンは5試合4得点を記録している。前線で張るだけでなく、2列目でチャンスを作りながらフィニッシュに絡む仕事も得意としており、1トップも2シャドーも可能。抜群の機動力は上田や小川にも無い武器だ。

大橋祐紀(ブラックバーン)

湘南時代は町野と2トップを組んだこともある気鋭のストライカー。広島では前半戦だけで11ゴール。在籍半シーズンでイングランド2部のブラックバーンに引き抜かれると、開幕戦から持ち前の決定力を発揮して、4得点を記録している。町野と同じく、トップもシャドーもこなせるタイプで、守備の運動量も強み。鎌田大地や久保建英のような選手と2シャドーを組んでも相性は良さそうだ。

山田新(川崎フロンターレ)

鋭い動きだしと抜け目ないフィニッシュで、大卒2年目ながらJ1でここまで日本人2位の14得点を記録している。1トップもこなせるが、基本パワーより機敏性を生かすタイプで、代表レベルでは2シャドーの方がハマりそう。パリ五輪世代のエースである細谷真大(柏レイソル)が帰国後、なかなか得点数を伸ばせていない状況で、27人という構成を想定すれば、今後の伸びしろを見越して町野や大橋のような実力者より、優先される可能性はある。

オナイウ阿道(オセール)

横浜F・マリノスでブレイクし、フランスに渡って4年目。オセールをリーグアン昇格に導いた立役者であり、新シーズンも前線の主力として攻撃を引っ張っている。所属クラブでは左ウイングを担うケースもあるが、ディフェンスを背負ってのキープなど、他の日本人FWになかなか無い馬力は1トップでも十二分に生かせる。ここ数年呼ばれていないことが不思議なぐらいだが、ライバルと比較してのネックはここまで1得点であること。現実的にはもう少し様子見かもしれない。

武藤嘉紀(ヴィッセル神戸)

これまでの実績は代表サポーターの誰もが知るところだろうが、今シーズンも佳境になってきた中で、パフォーマンスはむしろ上がっているところが評価ポイントだ。11得点7アシストという数字もさることながら、前線での存在感も大黒柱の大迫勇也に引けを取らないものがある。推進力と打開力を併せ持つ武藤。3ー4ー2ー1なら右シャドーがメインになりそうだが、現在は堂安律や伊東純也が担っている右ウイングバックも面白い。

そのほか、3ー4ー2ー1で再評価される可能性もある古橋亨梧(セルティック)はもちろん、2シャドーの一角としてはポルトガルで4得点2アシストを記録している藤本寛也(ジル・ヴィセンテ)も左利きの10番タイプとして面白い存在です。Jリーグでは今シーズン15得点のジャーメイン良(ジュビロ磐田)もいますが、森保一監督が視察した柏戦や名古屋戦で結果を残したかったところです。

J2得点ランクのトップを走る小森飛絢(ジェフ千葉)も強く推したいですが、これまでの代表監督の方針からJ2からは呼ばれにくく、少なくともJ1で結果を残す必要はあるかもしれません。また今回はおそらく難しいですが、海外組も含めて、パリ五輪世代のアタッカーやさらに言えば、ロス五輪世代の若手の台頭にも期待していきたいと思います。

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

河治良幸の最近の記事