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攻撃のカギは時計と反対回り、左サイドにあり

杉山茂樹スポーツライター

前々回のメルマガ「CL決勝バルサの先制点に、日本の課題と未来がある」で、僕は、そのサイドチェンジを絡めたサイド攻撃の有効性について触れた。

メッシ→ジョルディ・アルバ→ネイマール→イニエスタ→ラキティッチ

ガードの堅い真ん中からではなく、相手守備陣を散らしておいて、横方向から守備の皮を一枚一枚剥ぐように崩していったバルサの攻撃。これは、日本でほとんど見ることができないスタイルでもあり、追求すべきものだと述べたが、この決勝点には、注目すべき点がまだ他にもあった。

それが左からの攻撃だったことだ。

データに基づけば、サイド攻撃が得点の源になるケースは8割。では、左からの攻撃と右からの攻撃では、どちらが多いかと言えば左になる。正確な数字は把握していないが、かつて話を聞いたスペインの評論家は、常識と言わんばかりにそう語った。

なぜ左からの得点が多いのか。

人間は9人中8人が右利きだ。左利きの数はスタメンに1人が平均的な数字になる。右利きの選手が右足のインサイドで、主にボールを運ぶとすれば、ピッチには何となくではあるが、時計と反対回り(左回転)の渦が描かれることになる。つまり、その逆、時計回り(右回転)は貴重な動きになる。相手にとっては、意外な動きになる。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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