なでしこ快進撃の要因に“逆算の選手起用法”
決勝トーナメントに入り、右肩上がりに転じているなでしこジャパン。グループリーグの戦いがウソのようないい流れになっている。それには様々な原因があるのだろうが、僕が挙げたいのは選手の起用法だ。
グループリーグの3試合に、佐々木監督は全ての選手をピッチに送り込んだ。初戦のスイス戦にはベストに近いメンバー(いま振り返れば)で臨んだが、2戦目のカメルーン戦では少しいじり、3戦目のエクアドル戦では、それまでの2試合に出場していない選手、全てを使った。そして、4戦目(決勝トーナメント1回戦)のオランダ戦、5戦目(準々決勝)の豪州戦では、再びスイス戦に近いメンバーに戻している。
グループリーグは3試合とも1点差の接戦。というより苦戦だった。カメルーンには終盤追い上げられ、引き分けてもおかしくない内容だったし、エクアドル戦も、それまでの2戦で15失点を許していた相手に、わずか1ゴールしか奪えないあり様だった。選手を変え、あえて苦戦した。そんな感じさえ受ける。グループリーグの3試合を100%で戦っていないところに、いま右肩上がりが訪れている原因があるように思う。「正解」を時間を掛けて、見つけ出そうとした感じだ。
言い換えれば、最初から7試合を戦うつもりでいる選手起用法だ。7試合目から逆算するような采配と言ってもいい。称賛すべきポイントだと思う。残り2試合、使えるのは誰か、戦力になるのは誰か。準備は万端。見極めはついた状態にある。試合数が進むにつれ、選択肢は確実に豊富になっている。
この記事は有料です。
たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバーをお申し込みください。
たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバー 2015年6月
税込550円(記事4本)
※すでに購入済みの方はログインしてください。