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台風11号は四国に上陸か

森田正光気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ会長
台風11号の予想位置(TBSテレビNスタより)

現在の天気予報はコンピュータによって行われていますが、その予測方法の一つに「アンサンブル(集合)予報」というのがあります。

気象現象を数値的に予測する場合には、正確な気象データが必要ですが、観測データには必ず測器の誤差などが含まれます。したがって、どんなに正確に計算しても時間が先になるほど実際の天気とのブレが大きくなってしまいます。

そこでコンピュータで計算させるときに、最初からその測器などの誤差を織り込んで同時に計算させると、それぞれのコンピュータは何通りもの違った答えを出します。

その答えが大きくばらついているようなら、その計算は誤差が大きいので信頼度が低いということになります。逆に、どのコンピュータの答えも同じようなら、その予測は当たる確率が高いと言えるでしょう。

いわばいくつかのコンピュータで多数決をするようなもので、この場合、その計算をさせるコンピュータのことを「メンバー」と言います。

画面は、週間アンサンブル予想図から日曜日(10日)の台風の位置だけをX印で示したものです。27メンバーのコンピュータの予想位置は、ほとんどすべて日本海にプロットされています。ちなみに、このX印の70%を網羅した範囲が予報円となります。

それにしてもこれは何を意味するでしょう?

日曜日(10日)の夜に台風が日本海にあるということは、現在位置(九州の南海上)から線を引っ張ると、どう考えても四国に上陸するということになります。時間的には多少のずれがありますが、西日本を中心に大きな影響が出ることは避けられないでしょう。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ会長

1950年名古屋市生まれ。日本気象協会に入り、東海本部、東京本部勤務を経て41歳で独立、フリーのお天気キャスターとなる。1992年、民間気象会社ウェザーマップを設立。テレビやラジオでの気象解説のほか講演活動、執筆などを行っている。天気と社会現象の関わりについて、見聞きしたこと、思うことを述べていきたい。2017年8月『天気のしくみ ―雲のでき方からオーロラの正体まで― 』(共立出版)という本を出版しました。

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