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ゴールデンウィーク明けは南下する強い寒気に注意

饒村曜気象予報士
平成最後の南岸低気圧(4月30日9時の地上天気図と気象衛星画像)

「令和」とゴールデンウィーク後半

 5月1日から元号が「令和」に変わります。

 令和という年の元日、つまり5月1日は、本州の南岸を低気圧が通過する影響で、ほぼ全国的に雨の降りやすい天気となります(タイトル画像)。

 ただ、九州や中国地方では晴れ間の出る所があり、東海から近畿は昼過ぎには雨が止む見込みです。

図1 予想天気図(5月1日9時の予想)
図1 予想天気図(5月1日9時の予想)

 図1は、気象庁ホームページにある5月1日9時の予想天気図です。

 表示が「平成31年5月1日」となっているのは、間違いではありません。

 平成のうちに発表した予想図(4月30日に発表した予想図)であるため、まだ平成が使えないためです

 そして、翌日からは、移動性高気圧に覆われますので、ゴールデンウィーク後半は、各地で晴れの日が続く予報です(図2)。

図2 気象庁が発表した各地の週間天気予報
図2 気象庁が発表した各地の週間天気予報

連休中の寒気南下

 ゴールデンウィーク後半は、晴れの天気が続くといっても、5月2日は、南岸低気圧が北海道の東海上で発達することから、西高東低の冬型の気圧配置となって寒気が日本付近に南下してきます(図3)。

図3 予想天気図(5月2日9時の予想)
図3 予想天気図(5月2日9時の予想)

 北日本上空約5500mには、狭い範囲ですが、氷点下30℃という寒気が南下してきます(図4)。

図4 上空約5500メートルの気温(5月2日夜)
図4 上空約5500メートルの気温(5月2日夜)

 冬場であれば、それほど強い寒気ではありませんが、晴れて地表付近の気温が上がった場合は、大気上下の温度差が大きくなって大気が不安定となります。

 積乱雲が発達し、落雷や突風、短時間強雨のおそれがありますので、最新の気象情報の入手に努め、晴れていても、黒い雲が発生した場合などは、素早く安全なところに移動してください。

連休明けの寒気南下

 上空の寒気は、ゴールデンウィーク明けの7日にも、北日本に南下してきます(図5)。

図5 上空約5500メートルの気温(5月7日夜)
図5 上空約5500メートルの気温(5月7日夜)

 ゴールデンウィーク後半の寒気より、上空約5500メートルでの氷点下30度の範囲が広く、一番低い気温は氷点下33度以下です。

 このため、ゴールデンウィーク後半に南下する寒気よりも、大気がより不安定となって積乱雲が発達し、落雷や突風、短時間強雨のおそれがあります。

 札幌の気温変化をみると、寒気が南下する5月2日と7日は、最高気温、最低気温ともに平年より低くなります(図6)。

図6 札幌の4月から5月の気温の推移
図6 札幌の4月から5月の気温の推移

 現段階では、5月7日に南下する寒気が、どこまでの影響を与えるのか不確実性が大きいのですが、東京の気温変化も、寒気の南下の影響がでています(図7)。

図7 東京の4月から5月の気温の推移
図7 東京の4月から5月の気温の推移

 さらに、この寒気南下が6日夜に本州南岸を通過する低気圧を発達させ、東~北日本で強い風が吹くかもしれません。

 ゴールデンウィーク明けは、大雨などの激しい現象がなくても、交通機関が乱れることがあります。

 ゴールデンウィーク終盤は、ゴールデンウィーク明けの雨や風の情報に注意し、連休明けの仕事や学業に備える必要があります。

タイトル画像、図2、図4、図5の出典:ウェザーマップ提供。

図1、図3の出典:気象庁ホームページ。

図6、図7の出典:気象庁資料、ウェザーマップ資料をもとに著者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2024年9月新刊『防災気象情報等で使われる100の用語』(近代消防社)という本を出版しました。

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