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令和ではなく「平成31年5月1日の天気」を予報

饒村曜気象予報士
新元号 令和(写真:アフロ)

平成最後の日

 平成31年4月30日は、「平成31年」が終わる日です。「平成31年」の最後の日ですので、「大晦日」ともいえるでしょう。

 令和元年5月1日は、「令和元年」が始まる日です。「令和元年」が始まる最初の日ですので、「元日」ともいえるでしょう。

 自然現象は元号の変更とは関係なく推移しますので、年度途中の大晦日や元日についての自然現象の記述や予報は、あらかじめ取り決めをしておかないと混乱が生じます。

 気象庁では、気象庁ホームページにおける元号表記の取り扱いについて、平成31年4月19日に次のように決めています。

(1)平成31年に発表した気象・地震等に関する情報については、元号のみの修正は行わない。

 4月中に発表する5月1日以降を対象とする気象情報等の元号表記は「平成」を使う(図1)。

 5日1日0時(日本時間)以降に発表する気象情報等の元号表記は「令和」を使う。

図1 気象庁ホームページの元号表記例
図1 気象庁ホームページの元号表記例

(2)台風番号については、5月1日以降に発生した台風は「平成31年」からの続き番号とする。5月1日以前に発生した台風が 5月1日以降も存在する場合、その台風は消滅するまで「平成31年台風第○○号」と呼称する。

平成31年5月1日の天気

 ほぼ全国的な晴れで始まりそうなゴールデンウィーク前半ですが、平成の最後は全国的に雨の日になりそうです。

 そして、令和の最初の日、天気予報では、「平成31年5月1日の天気」は、沖縄地方を除くと、ほぼ全国的に晴れとなっています(図2)。

図2 平成最後と令和最初の天気
図2 平成最後と令和最初の天気

 沖縄の4月下旬は、雨の日が続くという予報ですので、平成最後の梅雨入りという可能性もあります。

 ちなみに、沖縄の梅雨入りの平年値は5月9日で、昭和55年(1980年)には、4月20日に梅雨入りしています。

台風発生はしばらくなさそう

 平成31年は、これまでに台風が2個発生しています。

 現在、日本の南海上は台風の卵となる熱帯低気圧はありませんし、熱帯低気圧が発生するのに必要な積乱雲も多くはありません(図3)。

図3 気象衛星「ひまわり」画像(平成31年4月21日7時)
図3 気象衛星「ひまわり」画像(平成31年4月21日7時)

 あと10日で台風が発生するとは考えにくく、平成31年で3番目の台風である「平成31年台風第3号」はなさそうです。

 つまり、平成31年の台風発生数は2個ということになります。

 そして、元号が令和に変わり、最初に発生した台風は「令和元年台風第3号」と命名され、「令和元年台風1号」と「令和元年台風2号」が欠番になります。

 台風の種々の統計は、平成31年と令和元年を合わせて、「2019年の台風」として行われますので、元号変更による急減はありません。

図1の出典:気象庁ホームページ。

図2、図3の出典:ウェザーマップ提供。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2024年9月新刊『防災気象情報等で使われる100の用語』(近代消防社)という本を出版しました。

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