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「日本のトイレが恋しい」とWBC米記者 日本の温水洗浄便座が外国人を魅了する理由

中島恵ジャーナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

WBCもいよいよ準決勝。日本代表チームは試合が行われる米マイアミへと移動した。

日本で焼き肉弁当や「歌舞伎揚」などのお菓子、イチゴのサンドイッチなどをSNSで紹介し、日本の食べ物を激賞していたマイケル・クレア記者も米国に戻った。

そのクレア記者が今度は「日本のトイレ」について、SNSでその熱い思いを吐露したことが話題になっている。

日本のトイレの心地よさを実感

「米国に戻ったら、まるで石器時代に来たようだ。ビデと暖房便座がついていないなんて、一体どんな地獄なんだ」

どうやら、クレア記者は日本の温水洗浄便座にすっかり魅了され、米国に戻って、その心地よさを改めて実感。早くも、懐かしく振り返り、トイレも含めて、日本を恋しく思っているようだ。

クレア記者に限らず、これまでも、訪日外国人観光客にとって、日本で体験してよかったもののひとつに、温水洗浄便座は挙げられていた。TOTOの『ウォシュレット』もそうだし、INAXの『シャワートイレ』などもそうだ。

TOTOが最初に『ウォシュレット』を発売したのは1980年で、もう40年以上も前。当時、テレビで流れたCM「おしりだって、洗ってほしい」は日本中に衝撃を与えた。

同社の『ウォシュレット』は世界での累計出荷台数が5000万台以上。日本国内での温水洗浄便座の普及率も8割以上となり、日本人にとって、温水洗浄便座は「あって当たり前」に近い存在となっている。

クレア記者がいっていた「暖房便座」が自宅にある人も多いし、オフィスや施設、レストランなどに「自動洗浄」「擬音装置」などがあることも、私たち日本人にとってはごく普通のことだ。

だが、海外ではまだ温水洗浄便座がそこまで普及していないところも多く、来日して「日本のトイレはすばらしい」と感激する人は今も多い。

クレア記者も米国に戻って「冷たい便座」を経験し、改めて、日本のトイレのすばらしさを痛感したのだろう。

日本のトイレは清潔で進化している

筆者がよく取材する中国人観光客も、2015年の「爆買い」ブームの頃に、温水洗浄便座の魅力に憑りつかれた。

東京・秋葉原などの家電量販店で、一人でいくつもの温水洗浄便座を買って帰った人が大勢いたことを覚えている人は多いだろう。

当時、彼らが最も多く買って帰ったのは温水洗浄便座、高級炊飯器、保温ボトルなどだった。

その後、中国でも、大都市の家庭やホテル、空港などでは温水洗浄便座はかなり普及してきたが、まだ全国規模ではない。

日本では全国津々浦々に温水洗浄便座が行き渡っており、しかも、節水技術なども進んでいるなど、環境面にも配慮、進化している。

トイレ自体の進化だけでなく、日本人にとって当たり前の「清潔さを保つこと」や、「見えないところまで、きれいに清掃すること」なども外国人の心をくすぐる。

クレア記者にもし会えたら、「日本にはトイレの神様がいる」ことを教えてあげたい。きっと、もっと日本のファンになってくれることだろう。

参考記事:

WBCでわかった 改めて見直されるべき 日本の「安い、美味しい、安心安全な食事」

ジャーナリスト

なかじま・けい ジャーナリスト。著書は最新刊から順に「日本のなかの中国」「中国人が日本を買う理由」「いま中国人は中国をこう見る」(日経プレミア)、「中国人のお金の使い道」(PHP新書)、「中国人は見ている。」「日本の『中国人』社会」「なぜ中国人は財布を持たないのか」「中国人の誤解 日本人の誤解」「中国人エリートは日本人をこう見る」(以上、日経プレミア)、「なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?」「中国人エリートは日本をめざす」(以上、中央公論新社)、「『爆買い』後、彼らはどこに向かうのか」「中国人富裕層はなぜ『日本の老舗』が好きなのか」(以上、プレジデント社)など多数。主に中国を取材。

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