NHKニュースウオッチ9 ワクチン被害の訴えを伏せて放送 BPOの調査結果は #専門家のまとめ
NHKのニュースウオッチ9が、コロナワクチンの被害を訴える遺族を取材しておきながら、その訴えを伏せて感染死の遺族のコメントであるかのように放送した問題で、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会が調査した結果と見解を公表しました。これまでの経緯と、BPOが公表した見解のポイントがわかる記事を紹介します。
【ワンポイント解説】
NHKは当初から誤解を与える不適切な放送だったこと自体は認め、繰り返し謝罪しています。しかし、BPOの放送倫理検証委は「取材の過程でワクチン接種後に亡くなった方の遺族と認識した」などとするNHK側の説明に納得せず、独自の判断で(取材を受けた遺族からの申立てによらずに)調査を開始した経緯があります。
NHKの不自然な説明に対し、BPOがどこまで真相、真因に迫れるかが焦点でした。
(その後、遺族側は別の委員会に人権侵害救済の申立てを行い、そちらは現在審理中。今回の発表は、先に調査を開始した放送倫理検証委によるものです。)
▼5月15日、コロナ5類移行1週間を振り返る番組エンディングVTRで遺族のコメントを放送。翌日放送で謝罪
NHKニュースウオッチ9が謝罪放送 ワクチン接種後死亡者を感染死のように伝えたのは不適切(Yahoo!ニュースエキスパート 2023/5/16)
▼6月9日、NHKからの報告書は「納得するような答えがなかった」として、BPO・放送倫理検証委が審議入りを決定
NHKコロナ報道がBPO審議入り 局の報告書「納得の答えない」(朝日新聞 2023/6/9)
▼7月21日、NHKが調査報告書とともに、取材したスタッフら4人を懲戒処分にしたと発表
NHK、ワクチン被害訴える遺族を取材した職員を出勤停止 管理職は軽い処分 報告書に不可解な点も(Yahoo!ニュースエキスパート 2023/7/23)
▼12月5日、放送倫理検証委が意見書公表 「人の死の伝え方あまりに軽かった」と指摘
【ニュースウオッチ9問題】BPO「放送倫理違反」の意見書 発表会見の質疑で明らかになったことは? (theLetter 楊井人文のニュースの読み方)