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【河内長野市】南河内で韓国語学べる国際文化科!ヒップホップ全国大会出場やUSJ職業体験もある長野高校

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

大阪府立長野高等学校(以下、長野高校)といえば市役所のすぐ近くなのに広大な敷地があって自然にあふれた学校ですね。そして3月10日までは羊の親子が敷地で餌を食べていたりします。

以前には警察署と連携して、おそろいのTシャツを着て町中を走ってパトロールする「ランニングパトロール」という活動も行なっていました。

しかし、長野高校はまだまだ知られていない魅力が多いです。例えば偏差値のランキングを見たところ、大阪府内ではちょうど真ん中あたりに位置付けられており、河内長野市にある3つの高校でもちょうど2番手という真ん中であることがわかりました。

1973年に開校した長野高校は南河内でいち早く韓国語がマスターできる国際文学科やユネスコスクールなど、意外に知られていない学科内容があります。そこで香月校長をはじめ、熊本教頭や首席教諭で広報担当の木谷先生、国際文化科課長、ユネスコ担当の各先生からお話を伺ってみました。

長野高校は国際的な人材育成には早い段階から取り組んでおり、1992年に国際教養科を設置しました。当時府立高校の改革の一環として、特色ある学校づくりとして設置されたものです。現在は保護者にわかりやすい名前ということで、2021年に国際文化科に変わりました。

長野高校は2004年から2006年まで、文部科学省主導プロジェクト「スーパーイングリッシュランゲージハイスクール」として指定されました。

大阪府では2002年の千里高等学校、2003年の大阪女学院高等学校に続いて3校目で、2009年度に事業が終了するまでで、府内全体でを見ても6校しか指定を受けていません。(南河内地域では長野高校が唯一指定)

また2011年から2年間には大阪府教育委員会「使える英語プロジェクト事業」で、府内では24校あるイングリッシュフロンティアハイスクールズに指定(G2グレード:通常会話で支障の無い応答)に指定されたことがあります。

そして、2009年に加盟したユネスコ・スクールは現在も続いています。ユネスコスクールはユネスコ憲章に示された理念を学校のあらゆる面で位置づけ、ESC(持続可能な開発のための教育)の推進拠点として、文部科学省と日本ユネスコ国内委員会が指定しているとのこと。

ここまで書くと、長野高校は国際化のための学校としてのポジションを確立していることがわかりますね。ユネスコ担当の先生によれば、心の中の平和を学び行動すること、人とのかかわりを大事にするような指導を行っているそうです。

昨年6月に河内長野に来たフィリピンダンサーの学生
昨年6月に河内長野に来たフィリピンダンサーの学生

長野高校は、オーストラリアのメルボルン郊外に姉妹校があり、20名を上限に海外研修を行ったり、加えてフィリピンのセブ島にも研修もしているとのこと。また昨年6月に河内長野に来たフィリピンの大学生ダンサーは、長野高校でもダンス交流を行いました。

2019年の姉妹校提携の様子 画像提供:長野高校
2019年の姉妹校提携の様子 画像提供:長野高校

また2018年度には同じユネスコスクールの韓国の全南(チョンナム)外国語高校から生徒が20人程度訪問し、2019年1月11日に長野高校と、姉妹校提携(外部リンク)を結びました。

韓国にある東大門
韓国にある東大門

K-POPやドラマなどで若者に人気の韓国ですが、長野高校の国際文化科では韓国語をいち早く学べるそうです。長野高校の国際文化科は、2年生から英語以外に第二言語として、フランス語、中国語、ドイツ語、韓国語から選択できるそうですが、やはり韓国語がとても人気だそうです。

韓国の街角より
韓国の街角より

府内では267校・3校舎ある大阪の高校のうち韓国語をカリキュラムにしている高校は4・50程度あるそうですが、第二言語としての授業で必須で韓国語を学べるところは非常に限られるそうです。南河内では長野高校が唯一とのこと。

韓国に興味のある中学生にはまたとない高校ですね。その他にもこれからのビジネスで役立ちそうな中国語や、医学用語で多いドイツ語、とても美しい言語と言われているフランス語など国際文化科ではいち早く英語以外の言語に触れられます。

国際文化科については、卒業時に英検2級が取れるレベルを目指しているそうで、英検2級は、ビジネスマンを対象にした世界的な英語の資格TOEICの550点〜785点に該当するそうです。

インターナショナル・フェスティバルの様子 画像提供:長野高校
インターナショナル・フェスティバルの様子 画像提供:長野高校

英語が話せることをアピールできるのはTOEIC600点以上なのだそうなので、高校卒業時に英語が話せるビジネスマンクラスの語学力がほぼ身につき、それ以上を大学で目指せばよいわけですね。国際文化科の卒業生の中にはハワイの大学や韓国の大学に進学した生徒もいるそうです。

英語によるディベート授業 画像提供:長野高校
英語によるディベート授業 画像提供:長野高校

国際文化科の特徴としては、普通科よりも英語の授業が2時間程度多く、その中には完全に英語だけでやり取りするネイティブオールイングリッシュの時間もあるそうです。

オーストラリア研修で授業の様子 画像提供:長野高校
オーストラリア研修で授業の様子 画像提供:長野高校

これは英語でスピーチやプレゼンができる能力が身につくとのこと。国際文化科は語学力に加えて文化を学ぶことも重視しているそうです。また在学中に英語のボランティア活動なども行っているそうです。

くろまろ塾でゲスト講師を務めた生徒 画像提供:長野高校
くろまろ塾でゲスト講師を務めた生徒 画像提供:長野高校

また国際文化課に対して普通科については2年生で進路の選択ができるようになっており、4つのコースがあるそうです。総合スタンダード、看護メディカル、理系アドバンス、文系アドバンスとあり、文系アドバンスは3年生の時に総合スタンダードから別れています。

看護メディカルは看護学校を目指すコースで、医療現場にも行くそうです。理系アドバンスは理系大学を目指す生徒のためのコース。普通科でも、進路に合わせていろいろ選べるのが良いですね。

そんな長野高校の進路は基本的に進学で、6割が大学、3割が専門学生で残りの中には就職というよりも浪人生などが含まれているそうです。

沖縄の修学旅行 画像提供:長野高校
沖縄の修学旅行 画像提供:長野高校

さて、長野高校の普通科を合わせて全体を見ると主に河内長野市と大阪狭山市から通ってくる生徒が半数以上を占めているそうですが、一部堺市や大阪市から通ってくる生徒もいるそうです。

卒業生の中には、インターナショナル琴奏者で、日本人で5番目にグラミー賞を受賞した松山夕貴子さんをはじめ、宝塚歌劇団の風雅湊さんや、サッカー選手の丹羽大輝さん、堀越高校に転校した俳優の小池徹平さんらがいるそうです。そして香月校長が確実に本人に確認が取れたのは講談師の玉田玉秀斎さんとのこと。いずれにしても多彩な顔触れですね。

全国大会を前に最終の練習を行なったダンス部 画像提供:長野高校
全国大会を前に最終の練習を行なったダンス部 画像提供:長野高校

長野高校の部活ですが、特筆するべきものはダンス部で、2年連続全国大会に出場した実力があるそうです。ダンスにもいろんな部門がありますが、なんと、若者に人気のヒップホップとのこと。

また吹奏楽部も昨年は関西大会に出場しました。そのような経緯から2023年2月27日にダンス部と吹奏楽部が、河内長野市教育委員会賞を受賞しました。

茶・華道部の作品 画像提供:長野高校
茶・華道部の作品 画像提供:長野高校

他のクラブについては、大会で優勝を目指すというよりも、楽しい部活を行おうという側面が大きいそうです。

そしてもうひとつ興味深いお話が伺えました。なんと職業体験の一環として、USJで働く体験も行っているそうです。USJの職業体験は4校あり、長野高校はその中の1校とのこと。

それも裏方ではなくキャストの一員としてレストランで働いたり、マイクパフォーマンスを行ったりというのです。これはすごい体験ができますね。

生徒がUSJの本番でマイクパフォーマンス 画像提供:長野高校
生徒がUSJの本番でマイクパフォーマンス 画像提供:長野高校

最後に今年度から赴任してきた熊本教頭が興味深いことを言いました。「進学校の生徒は挨拶はするが、相手の顔を見ていないので同じ人に何度も挨拶をする。それに対して長野高校の生徒はこちらから言わないと挨拶が来ないこともあるが、しっかりと相手の顔を見ている」といいます。

ダッシュ里山授業
ダッシュ里山授業

これも興味深い内容です。また山の中腹を切り開いて作られた広大な場所に学校があるので、良い意味で田舎の子だともいわれていました。ちなみに以前紹介したことのあるダッシュ里山授業は変わらず行っているそうです。

というわけで長野高校の取材を行いました。地元の高校というだけでなく、意外に知られていない国際的な学びができる高校といった特徴が多いのが正直な印象です。もっと知られてほしいと取材させていただいたのが正解でした。まだ志望校が決まっていない方、長野高校の選択は意外に良いと思います。

帰り際に「メェー」と大きな鳴き声が聞こえたかと思えば羊の親子がこちらを眺めてくれました。彼らがどんな感情を持っているのかわかりませんが、心が優しそうな長野高校の生徒に愛されているだろう。そのように感じました。

大阪府立長野高校(外部リンク)

住所: 大阪府河内長野市原町2丁目1-1

電話番号:0721-53-7371

アクセス:南海千代田駅から徒歩18分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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