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道路にある消火栓のなかって見たことありますか?火災発生時には誰もが無許可で使える消火設備です!

栗栖成之防災士ライター
photo AC

先日地域の防災訓練があり、消火栓を使った初期消火訓練を体験してきました。これまでも数回参加しましたが今回は写真撮影ができたので、滅多に見る機会のない消火栓の内部を紹介します。

道路脇にある「ホース格納箱」に1セット

筆者撮影
筆者撮影

道路脇にこのような「ホース格納箱」または「消火栓」と書かれた赤い箱があります。この箱は必ず道路にある消火栓の近くに設置されており、このなかに消火に必要な道具一式が格納されています。

筆者撮影
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中身はこんな感じで、それぞれ次の名前と役割を持っています。

  1. スピンドルドライバー:消火栓を開けるための道具と、開閉栓(放水弁)を回す役目
  2. 筒先:ホースの先端に接続して水を飛ばす役目
  3. スタンドパイプ:消火栓から水を取り出す役目
  4. ホース:1本20mで2本格納されている。消火栓の水を運ぶ役目

道路にある消火栓の開け方と中身!

筆者撮影
筆者撮影

消火栓のフタはとても重たいので、明ける時はフタが足の上に乗らないように注意が必要です。

スピンドルドライバーのハンドルの先端を、消火栓の小さな穴に挿入します。次に思いっきり手前にハンドルを引き上げると、勢いでフタがめくれます。

これが消火栓の中身です!

筆者撮影
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これが消火栓の中身で、右側にあるのが水を出すための開閉栓で放水弁とも呼ばれています。左にあるのが吐水口で、ホースへの接続口になります。

こんな感じで、消火栓の中身はいたってシンプルです。

消火栓は火災時の消火に使用するなら誰もが無許可で使える!

photo AC
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火災が起きた時に消火栓は消防団や消防署など、専門家でないと使えない!と思っていませんか?

実は火災時には誰もが無許可で、消火栓を使用して初期消火が可能です!

ただ、消火栓を使った消火には最低2人必要で、3人いるとベストです。そこで、ここからは消火栓を使った消火方法を紹介しましょう。

ステップ1:スタンドパイプを消火栓の吐水口に接続

筆者撮影
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まずは、消火栓のフタを先の方法で開けて、吐水口にスタンドパイプを接続します。スタンドパイプを吐水口に合わせて上から体重をかければ「カチッ」と音がして接続が完了します。

ステップ2:スタンドパイプにホースを接続

筆者撮影
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次にホースをスタンドパイプに接続します。このときも「カチッ」と音がするので、接続できたかどうかは分かりやすいでしょう。

ステップ3:ホースを伸ばす(足らない場合はホースを接続する)

筆者撮影
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3つ目はホースを伸ばします。ホースは1本20mですが、火災現場まで1本で届かない場合は、ホース同士を接続して伸ばすことが可能です。

ホース同士の接続も「カチッ」との音が大切です。

ステップ4:ホース先端に筒先を接続

筆者撮影
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ホースを伸ばしたら先端に筒先を接続します。筒先は管そうとも呼ばれていますが、水を飛ばす金属製の道具なので見分けは簡単です。

このときも「カチッ」」と音がすれば、接続が完了します。

ステップ5:筒先の準備が完了したら「放水」の合図を送る

筒先の準備が完了したら「放水開始!」と、消火栓にいる人に放水の合図を送ります。このとき、消火栓と筒先まで見通せれば2名で十分ですが、カーブしていると合図が見えないため、中間に1人中継者が必要となります。

放水の合図を受けた人は、スピンドルドライバーを左に回して全開にします。するとホースのなかを水が流れて、筒先から勢いよく水が放水されます。

筒先の人はしっかりと固定して、炎に向けて放水します。

早めの消火活動が延焼を食い止める!

さて今回は、消火栓の内部と火災が起きた際の使い方を紹介しました。

大切なのは初期消火なので、119番に火災が起きている旨を連絡した上で、野次馬にならずに、近くの消火栓とホース格納箱を使って早めの消化活動を開始しましょう。火災の延焼を食い止めるには、初期消火が重要ですからね。

防災士ライター

これまで、洪水・土砂災害・地震・津波・高潮など、あらゆるハザードマップを作成。2017年に防災士とひょうご防災リーダーの資格を取得。2014年からWEBライターとして活躍し、現在では経験と資格を活かしてさまざまなメディアに多ジャンルにて記事を投稿中!

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