ランニングにカフェインはいいの?
読んで頂いてありがとうございます!
たくや/ランナーです。都内で医師&ランニングコーチをしています。
今回はランニングにおけるカフェインの功罪についてまとめます。
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はじめに
カフェインというと、コーヒーに入っている成分として有名です。そしてお茶やエナジードリンクなどにも入っています。さらにはマラソンのエナジージェルにも入ったものがあります。
マラソンのエナジージェルに入ってカフェインは、どういう効果があるのでしょうか。そしてどういう注意が必要なのでしょうか。どんなタイミングで接種するのがよいのでしょうか。順に書いてゆきたいと思います。
カフェインのランニングへの効果
カフェインの効果は様々な文献があります。
まずカフェインは、筋肉内のカルシウム放出を増強し、それによって神経の興奮と筋収縮の連携を強化して筋肉の収縮機能を高める働きがあります。また集中力を高める働きがあり、それにより100m走で0.14秒タイムを短縮したとの文献があります。
また痛みや苦しさを感じにくくする効果があり、そのため長距離走についても効果が期待できます。さらには暑熱下でのパフォーマンスが向上するという報告もあります(否定的な文献もあります)。そして普段からのカフェインの摂取量や、体質・遺伝により効果に個人差があると言われています。マイナス面もあるので、効果がないと思ったら無理して摂取しなくてよいと思います。
カフェインの欠点と持続時間
欠点は胃腸障害や動悸・頭痛が有名ですが、足がつりやすくなる可能性もあります。特に量が増加するとマイナス面が出やすいとも言われますので、あまり多い量を使わないようにしましょう。
そしてカフェインの効果は30~60分で出始めて、3-5時間持続すると言われています。それを計算して摂取するようにしましょう。
以上から、カフェインはどういう人がどのくらい摂取したらよいか。
カフェインは微量では効果は期待できませんが、量が多くなると有害事象が増加するようです。1レースで100-200mg程度の摂取にとどめるのが無難でしょう。また効果が出て欲しい60分前あたりに摂取するとよいでしょう。
そして効果や有害事象には個人差があります。本番の前に、自分は効果があるのか、有害事象が出やすいのかを知っておく必要があります。効果があって、副作用が出にくい人が本番のレースでも使ってみるとよいでしょう。
まとめ
練習からカフェインを何度か使ってみて、効果が感じられなかったときはあまり使うことはおすすめしません。効果がありそうなら10km~ハーフマラソンならスタート前に、フルマラソンなら中間点あたりで200mg程度を摂取するとよいでしょう。
そしてレース前にコーヒーをたくさん飲んだ方は、カフェイン入りエナジージェルは控えて下さいね。
以上、最後まで読んで頂いてありがとうございました。
もっと詳しく書いているので、興味があれば自分のNOTEも参照下さい:
(ビアランニングドクターのNOTE:ランニングとカフェインとカプサイシン)
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たくや/ランナーについて
中学・高校・大学と陸上競技部で、そして卒業後もランニングを続けています。フルマラソンのベストは2時間50分。
今は都内の病院で勤務をしつつ、ランステでコーチをしています。
発信はおもにNOTEでしています(ビアランニングドクターのNOTE)