【勉強で疲れたら全力で走って!】「ランニングで得られる記憶の保持」の文献でみる、走ることと記憶の関係
以前から運動は、記憶の定着に役立つと言われています。ですが、運動はランニングでもよいのか?どの程度役立つのか?知っている方は少ないと思います。そしてテスト前なのに、記憶の定着を目的として運動を取り入れている方もいないと思います。そこで文献を参考に、どのくらい効果があるのか見てみましょう。
高強度の運動(インターバル走)が記憶の保持に役立つか?
提示したグラフは、2024年のイギリスの文献からです。平均年齢48歳の男女35人に対して行われた実験で、15個の単語を提示・暗唱してもらい、25分のインターバル走の30分後と24時間後に記憶のテストを行います。さらに2週間後、同じように15個の単語を提示・暗唱してもらい、今度は25分のウォーキングの30分後と24時間後に記憶のテストを行います。そしてそのテストの「記憶の保持スコア」を比較しました。
結果30分後も24時間後も、ウォーキングをした時よりもインターバル走をした方が、記憶の保持がよいことが分かりました。
なぜ記憶の保持によいのか?
どうして高強度の運動で、記憶が保持しやすくなるのでしょうか。文献で考察してるのは、高強度の運動で脳の血流と酸素利用能が高くなり、それが神経生物学的な記憶の強化を促進した可能性があるということです。
また運動をすると、ストレス反応によりコルチゾールの分泌が促進されます。コルチゾールの濃度が適度な場合、記憶の定着によい影響があるといわれています。それは高すぎても(走りすぎても)ダメで、低すぎても(ウォーキングでも)ダメであり、今回のインターバル走が適度であった可能性があるということです。
ランニングの練習に向かうときは
ランニングの練習の効果は、何も走力の強化だけではありません。幸福度が上がったり忍耐力が上がったり、そしてさらには記憶が定着しやすくなるのです。勉強で疲れたとき、力一杯に走るのはどうでしょうか。ランニングの練習に向かうとき、覚えたいことを記憶してみてはどうでしょうか。きっと記憶が定着して、学習効率があがるはずです。