ジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡を超える未来の最強宇宙望遠鏡「LUVOIR」の性能がヤバすぎる
どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「JWSTのさらに次世代、LUVOIRとは」というテーマで動画をお送りしていきます。
あのハッブル宇宙望遠鏡の後継機として知られる次世代望遠鏡「ジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)」が現在観測地点にて観測のための準備を進めており、世界中から多くの期待が寄せられています。
そして実は既に、そんなJWSTを上回る性能を持った次世代に次ぐ世代の宇宙望遠鏡「LUVOIR」の構想があります。
今回はそんなLUVOIRについて掘り下げていきます。
●LUVOIRとは
LUVOIRは「Large UV Optical Infrared telescope」の略で、その名の通り紫外線、可視光線、赤外線と広範囲の波長の光を観測できる宇宙望遠鏡です。
2030年代半ばに打ち上げが予定されています。
LUVOIRはJWST同様、地球と太陽の「ラグランジュ点2(L2)」という地点で観測を行います。
L2は地球から太陽に向かう反対方向に約150万km離れた地点です。
地球から約38万km離れた位置にある月のさらに4倍ほど遠くで観測するわけです。
こちらはハッブル宇宙望遠鏡(HST)、JWST、LUVOIRの主鏡の大きさの比較です。
これらの望遠鏡ではまず観測対象からの光をこの主鏡で反射させ、一点に集めます。
そのため主鏡が大きいほど多くの光を集められ、高精度な観測を行えます。
なお、LUVOIRの構想では2機の望遠鏡「LUVOIR-A」と「LUVOIR-B」が打ち上げられる予定です。
LUVOIR-Bの主鏡の直径は8m、LUVOIR-Aの主鏡の直径は15mと、HSTやJWSTと比べても非常に大きいのが分かりますね。
●驚異の性能
LUVOIRは凄まじい性能を持っており、実現すれば宇宙科学の広い分野で革命を起こすと言われています。
公式ページにその性能をコンピュータシミュレーションで再現した画像がいくつか掲載されていたので、紹介していきます。
こちらはハッブル宇宙望遠鏡と、LUVOIR2機の性能を比較した画像です。
真ん中左にあるのは、地球から100億光年も彼方にある小さな銀河を観測した場合、どのように見えるかを表したシミュレーション映像です。
非常に遠方にある小さな銀河でも、その内部の構造まで詳細に理解できそうですね。
真ん中右では、太陽系外惑星探査の分野で期待される貢献度が示されています。
ハッブル宇宙望遠鏡では地球型惑星の生命の痕跡を探ることはできませんでしたが、LUVOIRでは数十個の惑星で生命の痕跡を探ることできるそうです。
また、生命が存在できなそうな惑星についても、数百個という単位で直接観測を行い、その惑星についての詳細な情報を得ることができるようになるとされています。
そして一番右は冥王星ですが、LUVOIR(特にA)については、探査機ニューホライズンズが直接冥王星を訪れて撮影した画像と比べても遜色ないほどの解像度で撮影できます。
そしてこちらは、コンピュータシミュレーションで表現された、太陽系から40光年離れた場所から、太陽系全体をLUVOIRで観測した際に得られると考えられる画像です。
各惑星の大気の組成まで測定できると考えられています。
LUVOIRの性能をもってすれば、数十光年彼方にある恒星系の惑星の見た目や、その構造に至るまで正確に把握することができてしまうんですね。
系外惑星や生命探査の分野で大きな進歩があるのは間違いありません。
そしてこちらは、ハッブル宇宙望遠鏡とLUVOIRによって紫外線でエウロパを観測した際に得られる画像です。
ハッブルは実写、LUVOIRはシミュレーションです。
LUVOIRによる画像では、エウロパ表面から放出される間欠泉の一つ一つまで詳細に映っていますね。
エウロパやエンケラドスでもこのような観測を行うことで、これらの天体内部にあるとされる海で生命が存在するかどうかについて、重要な知見が得られるかもしれません。
また、太陽系内部には様々な小惑星や彗星、太陽系外縁部の天体など、探査が難しいため近い将来の探査は予定されていないものの、太陽系の歴史を知るためには非常に重要な天体が数多く存在します。
そのような現地探査が難しい天体も、LUVOIRによる観測によって何か重要な情報を掴めるかもしれません。
LUVOIRによって、太陽系内部の研究も大いに進歩しそうです。
今回はジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)のさらに先の計画について紹介しましたが、現時点での最大の話題はやはりJWSTです。
現在は観測地点であるL2にて、本格的な観測を始めるための調整を行っています。
既に鏡の調整については完了し、非常に高精度な画像も得られており、徐々にJWSTの実力が発揮されつつあります。
JWSTがこれまでに公開した画像については以下の動画で詳細に解説しているので、併せてご覧ください。