2ヵ月間限定!地球「第二の月」を新発見
どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「地球を周回する第二の月を新発見!」というテーマで解説していきます。
●「第二の月」の捕獲現象
地球近傍天体(Near Earth Object, NEO)が地球に対して低い相対速度で、かつ近い距離まで接近すると、地球の重力に捉えられ、一時的に地球の衛星として公転する軌道を描くことがあります。
地球の衛星となっている状態とは、天体が地球の重力から逃れるために必要な速度(脱出速度)よりも遅い速度で動いている状態を指します。
このような「第二の月」ができた事例は過去にもいくつかありますが、仮に一時的に衛星となっても、太陽の重力の影響などでその軌道は不安定であり、しばらくすると衛星軌道から外れてしまいます。
一時的に第二の月となる天体は、必ずしも自然の天体とは限りません。
2020年9月17日に発見され、同年11月から2021年3月までの4か月間地球の衛星となった「2020 SO」は、1966年にNASAが月へと打ち上げたロケットの一部であると判明しました。
この人工物は一度地球の周回軌道を離れて太陽の周回軌道に乗ったのち、数十年の時を経て再び地球周回軌道へと戻ってきたのです。
●新たに「第二の月」が出現!?
2024年9月に公表された論文によると、「2024 PT5」という名の小惑星が地球の重力に捉えられ、第二の月となる可能性が高いです。
2024 PT5は、地球に衝突する前に危険な小惑星の存在を知らせるための「小惑星地球衝突最終警報システム(Asteroid Terrestrial-impact Last Alert System, ATLAS)」によって、2024年8月7日に発見されました。
2024 PT5の直径は約10mで、地球近傍天体(NEO)に分類されます。
2024 PT5は2024年9月29日から11月25日までの約二か月間、この動画の軌道の黄色線の期間のみ、一時的に対地球の公転速度が脱出速度を下回り、地球の衛星となる予測です。
その後は太陽を公転する軌道に戻り、再び地球近傍に戻ってくるのは2055年頃になる予想です。
このような貴重な天体を観測できればラッキーですが、明るさは22等級以下で、残念ながら肉眼どころかかなりしっかりした望遠鏡でも観測は困難とのことです。