冷蔵庫でやわらかくなってしまった「きゅうり」の応急処置は水に浸けるだけで元通りに
買ったことを忘れて、冷蔵庫で見つけた時にはもうやわらかくなってしまった「きゅうり」。食品ロスに関するアンケート調査によると、ロスにしてしまった食品で「きゅうり」は常に上位ランクインだそうです。
なぜ、きゅうりがやわらかくなってしまうのか?
やわらかくなってしまった「きゅうり」の応急処置を、理由とともにご説明します。
きゅうりの果皮の色は変化ないのに、しなしなっとやわらかくなっている、切ってみるとスカスカになっていることがあります。主な原因は「きゅうりの脱水症状」と考えられます。買ってきたきゅうりを、そのままの状態で冷蔵庫の「野菜室」や「冷蔵室」で保存していることが原因かもしれません。
世界一〇〇のない野菜
きゅうりは世界一カロリーが少ない野菜としてギネスブックに登録されていますが、95%が水分なので、夏の水分補給には最適です。また、余分な塩分を排出するカリウムも含んでいます。
保存は冷蔵庫よりも、野菜室で
きゅうりはインド原産の野菜で、低温(5度以下)には弱く冷やし過ぎるとビタミンCが壊れます。保存する際は冷蔵庫ではなく、野菜室で保存してください。冷蔵庫の温度よりも野菜室のほうが少し高く設定されていますので、原産地が暖かい地方の野菜は、基本的には冷蔵庫よりも野菜室がいいです。
収穫後も呼吸をしている
きゅうりの保存方法は、温度の次に保存の状態にも気を付けて下さい。野菜は収穫後も呼吸をしているので、袋に入ったままのきゅうりを冷蔵庫に入れておくと、袋の内側に水滴が付いている時があるかも知れません。その水滴がきゅうりを傷めてしまうので、キッチンペーパーで包んだ後、ビニル袋に入れるようにします。最近は鮮度保持の保存袋などもあるので、そういったものを使うのもおすすめです。
立てて
野菜室に入れる際も、横にしてしまうよりも、縦にして保存するほうが、野菜にストレスがかかりません。きゅうりが出来ている(なっている)状態に近づけてあげましょう。
やわらかくなってしまったきゅうりの応急処置
そろそろ本題の「やわらかくなってしまったきゅうりの応急処置」です。
きゅうりは水分がたっぷりということ、保存方法を工夫して水分を守ることを知っていただきましたので、次は「失った水分を取り戻す」方法です。
①やわらかくなったきゅうりの両端を包丁で切り落とし、タッパーやジップロックに水を入れ、きゅうりも入れます。
②そのまま野菜室でひと晩置きましょう。するときゅうりが水分を吸収して、パンパンのきゅうりに戻ります。
きゅうりを美味しく食べる
きゅうりには少し苦味があります。この苦みを取る方法は?
きゅうりを料理に使うとき、先端を切って、へたを切り口に、こすり合わせているのを見たり、したことがあるのではないかと思います。 そうすることで「きゅうりのアクが抜ける」と昔からいわれています。アクというのは、食材に含まれる苦味や渋味、えぐ味などのことなので、料理にアクが残らないように、下準備の時に取り除きます。
きゅうりの皮のすぐ下には維管束(水や養分などが流れる管)があって、その中の液に、蟻酸(ぎさん)という渋味のもとになる物質がたくさん含まれています。これがアクです。蟻酸はきゅうりのどの部分にも含まれているわけではなく、維管束の中の液に集中しているので、この液を減らせばアクも少なくなります。こすり合わせることで液がたくさん外へ出て、蟻酸も少なくなるのです。
まな板の上で転がして、塩でもむ「板ずり」も同じ理由で、皮のすぐ下にある維管束を壊して液を外に出して、アクを減らすということをしているのです。塩でもむので、皮の傷ついた部分に塩が染み込んで、水分を出しているのも効果があります。
ごぼう、れんこん、ナスのアクはポリフェノールなので、あえてアク抜きをする必要はないですが、きゅうりのアクは蟻酸なので、アク抜きをします。料理屋さんなどでごぼうやナス、レンコンのアク抜きをするのは、アクによって色味が悪くなるのでしているという意味があります。
今年の夏も美味しいきゅうりを楽しみましょう!