「仕事に興味がない」部下にどう接したらいいですか? 仕事に興味を持たせる2つのポイント
「私の部下は仕事に興味がありません。どう接したらいいですか?」
ある営業課長から、こんな相談を受けた。
たしかに日々の業務は、ほとんどが単調で退屈なものだ。仕事に慣れてきて、成果も出せるような人なら別だが、まだ経験が浅いのなら、目先の作業に興味を見出すことは難しい。
とはいえ職場でのパフォーマンスは、どれだけ仕事に興味を持っているかに大きく依存する。
では、どうしたら興味がないと感じる仕事にも、その重要性や価値を見出すことができるのか?
■「物語」の力を活用する2つのポイント
私が強くお勧めするのは「物語」の力を活用することだ。
取り扱っている製品や業界の背後にある「物語」を理解することは、自然と興味を引き出すことが多い。
人間は物語を愛する生き物だ。仕事や業界に隠された「秘話」「意外な過去」を発見することで、日々の業務に対する興味や情熱を再燃させることができる。
たとえば、こんな話がある。ある自動車部品メーカーの若者が、自社が製造している小さな部品がどのようにして環境に配慮して開発されたかの「物語」を知ったとき、その仕事に対する情熱が高まったという。
ただ「物語」を語るときは、次の2つの要素をしっかり盛り込んで伝えることが大事だ。
(1)葛藤
(2)衝突
誰が、どんなシチュエーションで苦難に立ち向かったのか。誰と誰とがその目標を達成しようとして衝突し、乗り越えたのか。この2つの要素を「物語」の中にしっかり盛り込むのだ。
そこが、人の感情を最も揺さぶるパートだからだ。事実の羅列を語るだけでは「物語」にはならない。単なる「履歴」である。
■興味を持つかどうか以前の話
ただ、絶対達成コンサルタントとして、私はキチンと伝えたいことがある。冒頭の営業課長にも伝えた。
それは、
「興味の有無に関わらず結果を出せ」
ということだ。仕事を通じて対価を得ている以上、プロフェッショナルな仕事をしなければならない。経験が浅いとか、深いとか、そんなものは何一つ関係がない。
プロフェッショナルとしての責任は、興味や情熱の有無にかかわらない。常に期待通りの結果を出すことにある。経験が足りなくて結果を出せなくても、そのための努力はしなければならない。
そして結果を安定して出せるようになり、周りから感謝され、上司からも評価されるようになれば、たいていの人はその仕事に興味を持つ。つまり仕事に興味を持つためにも、期待通りの結果を出すのだ。
そして最後に。上司は部下を見るとき、
「仕事に対して興味があるか?」
と問いかける前に、
「仕事に対して責任感があるか?」
と問うべきだ。そこから始めない限り、根本的な問題は解決しない。
<参考記事>