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リングに戻る4階級制覇チャンピオン

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Photo:Don King Productions

 6月7日の金曜日に、フロリダ州ハリウッドのハードロック・ホテル&カジノで開催されるドン・キング興行に出場するエイドリアン・ブローナーが、練習を公開した。元WBOスーパーフェザー、WBCライト、WBAウエルター、WBAスーパーライトと4階級を制した男だ。

 35勝(24KO)4敗1分けのブローナーの相手は、16勝(10KO)1敗1分けのブレア・コブス。WBCピープルズ・タイトルを懸けた一戦となる。

Photo:Don King Productions
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 ブローナーは言った。

 「ボクシングは、何が起こるか分からない。キングは出場選手に世界タイトルマッチの機会を与えているだけだ。まるでYouTuberにベルトをやるようなもんだよ。でも、俺はエロール・スペンス・ジュニアとテレンス・クロフォードには敬意を表す。彼らは本物だし、自分たちの戦いをやった。

 前にも話したように、俺のゴールは世界チャンピオンになること。ただただ世界チャンピオンになりたいと思っていて、タイトルを得る度に涙を流していた。また勝ったら同じことになるだろうな。

Photo:Don King Productions
Photo:Don King Productions

 自分のキャリアを見返し、かつボクシングの現状を鑑み、『ドン・キングと契約してみようかな?』と思ったんだ。ドン・キングのような人物にプロモーションしてもらいたくないファイターがいるか?ってな。彼が俺の物語の一部であるなんて、実に素晴らしい。世界チャンピオンになり、ドン・キングと契約しているなんて、最高だよ。

 俺にとってテレンス・クロフォードは、現時点で世界一だ。しかし、ボクシングの主役は誰だ? ジャーボンテイ・“タンク”・デービスだよ。タンクのファイトって、ただ彼が戦うだけじゃない。ビッグイベントであり、全世界がタンクを見たいと考える。多くのボクシングファンが彼が敗れるところ、また別の多くの人は彼が勝つ様を目にする事を望んでいるんだ。

Photo:Don King Productions
Photo:Don King Productions

 俺から若者へのアドバイスは、自分にとって最善のことをしろ、だな。そして、ベストの決断を下してほしい。なぜなら、キミたちのキャリアが終われば、プロモーターは次の有望なボクサーを探すんだから」

 4階級を制した元チャンプはプロ41戦目のリングで何を見せるか。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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