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法務局に預けた遺言書の内容を変更することはできる?

法務局の遺言書保管制度を利用して、遺言書を法務局に預かってもらっている方は年々増加しています。

遺言書の内容は頻繁に変更するものではないですが、事情によっては遺言書の内容を変更したいということもあるでしょう。

遺言書保管制度で遺言書を法務局に預かってもらっている場合、遺言書の変更はできるのでしょうか。

遺言書の撤回をして新たに遺言書を作る

結論から言うと、基本的に「遺言書の内容を変更する」ということはできません。ただし、遺言書の撤回をすることができます。

法務局に預けている遺言書の内容を変更するためにはまず遺言書の撤回をして、預けた遺言書を返してもらい、新たに書いた遺言書を預けることになります。

なお、遺言書を複数預けることも可能です。民法の遺言書のルールでは、遺言書が複数ある場合、内容が重なる部分については日付の古い遺言書の内容が撤回されたものとみなされます。

遺言書の撤回の方法

それでは法務局に預けている遺言書の撤回はどのようにすればよいのでしょうか。

法務局に預けている遺言書の撤回は、遺言書の原本が保管されている法務局で行うことができます。

遺言書保管の申請の時同様に、撤回の申請をするときも、手続きの予約が必要です。手続きができるのは遺言者本人のみです。

そのため顔写真付き身分証を必ず持参しなければなりません。

遺言者の氏名住所などが変わったときは変更の届出が必要

遺言書の保管手続きをした際に登録した遺言者自身の氏名、住所、本籍地、筆頭者が変わった場合には変更の届出が必要です。

また、遺言書に記載した受遺者や遺言執行者の氏名や住所が変わったときも変更の届出が必要です。

この変更の手続きに関しては、遺言者本人のほか、遺言者の親権者や法定代理人も行うことができます。全国どこの法務局でも手続きができ、郵送での手続きも可能です。

遺言書を作成しても安心せず、状況によっては書き直しをしよう

遺言書は何度も書くものではありませんが、時が経つとが財産の内容が変わったり相続人の状況も変化することがあります。

例えば、子供のいないおひとり様が、財産はすべて姉に相続させるという遺言書を書いたとしましょう。

しかし、遺言者よりお姉様が先に亡くなってしまうと、遺言書の内容は実現しません。

遺言書を書いて法務局に預けたからといってそのままにせず、状況によって遺言書を見直すようにしましょう。

司法書士とは不動産などの大切な権利を守るための専門家です。司法書士の視点から不動産、相続、終活を中心にわかりやすく役に立つ記事をお届けします。AFP2級ファイナンシャルプランナーでもあり、行政書士、宅建士の有資格者です。

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