相続登記って実際にいくらくらいかかるの?絶対にかかる3つの費用と具体例を紹介。
相続登記の義務化が始まり約半年が経ちました。
相続登記はお金がかかるからやりたくない、と思っている方は多いのではないでしょうか。
相続登記をしたけど、お金がかかったという話を周りから聞く方もいるでしょう。では実際にどのくらいお金がかかるのでしょうか。
今回は相続登記にかかる費用について具体例を挙げて解説します。
相続登記にかかる費用①戸籍謄本代
まず、不動産の相続登記や銀行での相続手続きに欠かせないのが亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本です。
戸籍に記載されている方が死亡や婚姻などで全員除籍された戸籍の謄本を除籍謄本、誰か1人でも記載されている戸籍の謄本を戸籍謄本と言います。
通常、除籍謄本は一通750円、戸籍謄本は一通450円かかります。
例えば、生まれてから結婚するまで一度も本籍が変わらず、結婚後に新たに戸籍を編成した後も一切転籍をしていない方が亡くなったとしましょう。死亡時には配偶者がいたとします。この場合、出生から死亡までの除籍謄本は少なくて2~3通、戸籍謄本は1通必要になります。
また、被相続人の出生から死亡までの戸籍の他に、相続人全員の戸籍謄本、不動産を取得する方の住民票などが必要となります。
相続登記にかかる費用②登録免許税
相続登記にかかる費用で最も大きな金額となりやすいのが登録免許税です。
登録免許税は、土地建物の固定資産税評価額に対して0.4%と決まっています。
固定資産税評価額とは、固定資産税・都市計画税の計算の基となる評価額の事で、毎年4月頃に送付される固定資産税の納税通知書に評価額が記載されています。
<例①>
・土地の評価額が2000万
・建物の評価額が400万
※全てが被相続人の所有
固定資産税=2400万円×0.4%=96000円
<例②>
・マンションの敷地部分の評価額が1000万円
・マンションの専有部分の評価額が600万円
※被相続人の持ち分は2分の1
固定資産税=1600万円×2分の1×0.4%=32000円
なお、土地の評価額が100万円以下の場合には、登録免許税が免除されるという特例があります。
相続登記にかかる費用③全部事項証明書
相続物件を調査する時や、相続登記完了後の権利関係を確認するときに必要となるのが全部事項証明書です。
全部事項証明書とは、法務局が発行する不動産の権利関係を証明する書類のことです。
法務局の窓口で請求すると1通600円、インターネット上でオンライン請求すると1通480円で取得することができます。
相続登記をする不動産が多い方だと全部事項証明書の取得をするだけでもそれなりの負担になります。
相続登記にかかる費用【番外編】専門家報酬
相続登記を専門家に依頼するととてもお金がかかるんじゃないかと心配される方もいるでしょう。
相続登記の報酬相場は数万円から数十万円と幅が広いのが実情です。
それは、どのような相続手続きを頼むか、誰に頼むか、という2点によって報酬額が変わると考えられます。
例えば、相続登記の他に預貯金や株式の解約など遺産整理業務もセットで依頼する場合にはその分の報酬も含まれますので、相続登記のみを依頼するときよりも報酬は高くなります。相続関係が複雑な場合など、手続きの難易度によっても報酬額が変わります。
また、登記申請は司法書士の独占業務であるため司法書士以外の士業に依頼すると、その士業の方は司法書士に外注することになり、直接司法書士に頼むよりも費用が高めになる可能性があります。
この先もっと費用がかかる可能性も。相続登記は早めに済ませよう
今後、不動産の相場が更に上昇して評価額が高くなれば、評価額を基に計算する登録免許税も同様に高くなります。また、評価額が100万円以下の土地について登録免許税が非課税となる特例には期限があります。
さらに相続登記を放置していて相続関係が複雑になってしまった場合、取得する戸籍謄本の通数が増えたり、手続き報酬が高額になる可能性があります。
相続登記の費用面を考えるなら、できるだけ早めに相続登記をすることが大切です。